1966 年 19 巻 2 号 p. 105-107
マクロライド系抗生物質, スピラマイシンの誘導体として開発されたアセチル・スピラマイシンは, 耐酸性をもち血中濃度の持続性が高く, 臓器内濃度もより高いことが動物実験においてみとめられている。今回我々は, アセチルスピラマイシン (以下, Ac-SPMと略) を臨床的に使用し同時に血中濃度, 尿中排泄率, 胆汁, 胸水, 腹水および髄液中への移行を, スピラマィシン (以下SPMと略) と比較検討したので報告する。なお, 血清および体液中の濃度測定は, 溶連菌を使用する重層法によつたが, Ac-SPM測定のスタンダードとしては, スピラマイシン塩基を用いた。