1966 年 19 巻 2 号 p. 115-121
Cephalosporinは, 最初BROTZU等5) (1945) によつてCephalosporium acremoniumから抽出され, 1955年NEWTON, ABRAHAM等1, 11) はCephalosporin Cの分離に成功, その後ABRAHAM, NEWTON等2) (1961) によつてその化学構造が決定されてから, さらに7-Aminocephalosporanic acidの側鎖であるα-Aminoadipic acidを変えた合成剤が開発されつつあり, 今日CephaloridineおよびCephalothinの2種類が臨床的にも使用し始められた。
しかし, その構造がPenicillinにきわめて類似するところから, その分解酵素についても, NEWTONおよびABRAHAM11) (1955) により考慮され, 既に報告が散見される。すなわち, FLEMING等7) (1963) は, 腸内細菌群にCephalosporin Cを分解する酵素のあることを報告し, JAGO等8) (1963) もPseudomonas aeruginosaがCephalosporin分解酵素を産生することを報告しているが, 一方, CHANG等6) (1963) はPseudomonasはこの分解酵素を産生しないと述べている。
私共は, Cephalosporin C, CephaloridineおよびCephalothinに対するStaphylococcus aureusおよび数種グラム陰性桿菌の感受性ならびに, これら菌種のCephalosporin不活作用について検討を加えたので, その成綾を報告する。