The Journal of Antibiotics, Series B
Online ISSN : 2186-5469
Print ISSN : 0447-8991
ISSN-L : 0447-8991
各種細菌のCephalosporin不活作用に関する研究
宮村 定男重野 直也小林 良彦
著者情報
ジャーナル フリー

1966 年 19 巻 2 号 p. 115-121

詳細
抄録

Cephalosporinは, 最初BROTZU等5) (1945) によつてCephalosporium acremoniumから抽出され, 1955年NEWTON, ABRAHAM等1, 11) はCephalosporin Cの分離に成功, その後ABRAHAM, NEWTON等2) (1961) によつてその化学構造が決定されてから, さらに7-Aminocephalosporanic acidの側鎖であるα-Aminoadipic acidを変えた合成剤が開発されつつあり, 今日CephaloridineおよびCephalothinの2種類が臨床的にも使用し始められた。
しかし, その構造がPenicillinにきわめて類似するところから, その分解酵素についても, NEWTONおよびABRAHAM11) (1955) により考慮され, 既に報告が散見される。すなわち, FLEMING等7) (1963) は, 腸内細菌群にCephalosporin Cを分解する酵素のあることを報告し, JAGO等8) (1963) もPseudomonas aeruginosaがCephalosporin分解酵素を産生することを報告しているが, 一方, CHANG等6) (1963) はPseudomonasはこの分解酵素を産生しないと述べている。
私共は, Cephalosporin C, CephaloridineおよびCephalothinに対するStaphylococcus aureusおよび数種グラム陰性桿菌の感受性ならびに, これら菌種のCephalosporin不活作用について検討を加えたので, その成綾を報告する。

著者関連情報
© 公益財団法人日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top