The Journal of Antibiotics, Series B
Online ISSN : 2186-5469
Print ISSN : 0447-8991
ISSN-L : 0447-8991
泌尿器科領域におけるアセチル・スピラマイシンの治療効果
生亀 芳雄工藤 三郎
著者情報
ジャーナル フリー

1966 年 19 巻 2 号 p. 113-114

詳細
抄録

アセチル・スピラマイシンは, マクロライド系抗生物質であるスビラマイシンの誘導体である。
本剤は, 高い耐酸性をもち, 血中濃度の持続性がよく, 臓器内濃度も高いといわれ, 血中濃度は動物実験においてスピラマイシンが投与後1時間目にピークがみられるのに対して, 本剤では5時間目にピークがある。その理由は, 生体内で本剤がスピラマイシンにくらべて, その分解過程が1段階おくれてみられるためではないかと推察されている。なお, 腎臓内濃度は, ラッテに500mg/kg投与後, スピラマイシンでは最高が71mcg/gであるが, 本剤では102mcg/gと高い値となつている。
抗菌力は, スピラマイシンとほとんどおなじスペクトラムをもつているが, 試験管内の抗菌力は一般にスピラマイシンより弱いようである。しかし, 生体内においては分解過程の相違によるものと考えられるが, 動物における感染症に対し著明な効果をしめしている。

著者関連情報
© 公益財団法人日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top