1966 年 19 巻 4 号 p. 305-308
1954年にフランスで発見されたSiramycin (以下, SPMと略) は, Macrolide系抗生物質の1つとして臨床治療上頻繁に使用されているが, 同じMacrolide系のOleandomycinがTriacetyl oleandomycinとして今日基礎的・臨床的な面でOleandomycinよりもすぐれた効果を示しているように, SPMもそのAcetyl体であるAcetyl spiramycin (AC-SPM) が協和醗酵研究所で開発され, 第13回日本化学療法学会でそのすぐれた性質が報告された。
このようないわゆるMasking compoundが体内でどのように代謝されるかを観察することは, きわめて重要かつ興味深いものであり, われわれもその点を観察するとともに, 以下の基礎的・臨床的研究をおこなつた。