1966 年 19 巻 6 号 p. 447-454
Acetyl Spiramycin (以下, AC-SPM) は, 1965年協和醗酵工栄株式会社で開発された新らしい抗生剤で, Spiramycin (以下, SPM) baseをAcetyl化して得られるSPMの誘導体である。
その性質は, 塩基性の微粉末で, 水に難溶, 酸およびアルコールに易溶性である。従来のSPMにくらべて酸に対してきわめて安定で, 血中濃度の持続性ならびに臓器内移行にすぐれているという。
SPMについての実験成績は私どもが既にしばしば発表した。今回は, 協和醗酵工業株式会社からAC-SPMの提供をうけ, この眼科的応用にさいしての基礎的ならびに臨床実験を試みたので, 以下に成績を報告する。