1966 年 19 巻 6 号 p. 444-446
耳鼻咽喉科領域の急性感染症においては, グラム陽性球菌がその起炎菌となつていることが大部分であるので, その治療にはMacrolide系抗生物質の使用が重要な位置を占める。Macrolide系抗生物質として現在数種類のものが使用されているが, その中の1つであるSpiramycin (SPM) の新誘導体として, 最近Acetyl-spiramycin (Ac-SPM) が開発された。 これは, 従来のSPMにくらべ安定度等が高く, 生体内での抗菌力が高くかつ長く持続する性質があるという。 われわれは本剤を上記の感染症に使用してその臨床効果をしらべたので, それらの治療成績について, 起炎菌に対する抗菌試験の成績とあわせて報告する。