The Journal of Antibiotics, Series B
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合成ペニシリン, アミノベンジルベデシリン (シレラール) の泌尿器科における使用経験
生亀 芳雄鈴木 滋小川 秀弥
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1967 年 20 巻 5 号 p. 372-374

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抄録

われわれは今回, 1961年にBristol Laboratoriesにおいて合成された広範囲抗菌スペクトルムをもっAminobenzyl Penicillin (AB-PC) を泌尿器科疾患に使用したので, その成績を報告する。
本剤は化学名を6[D(-)-α-Aminophenyl acetamid]penicillanic acidといい, 図1のような構造式である。その抗菌力は, グラム陽性菌に対しては従来のPenicillinと同様であるが, グラム陰性菌に対しても抗菌力をしめす。たとえば, Escherichia coliに対する最小発育阻止濃度は, 2.5~5.0mcg/ ml, Klebsiella pneumoniaeには1.25mcg/ml, Proteus vulgarisには5.0mcg/mlである。
血中濃度は, 経口投与では, 250mgを内服したばあい, その図1 ピークは2時間後にあつて1.7mcg/ml, 500mg内服では3.7mcg/mlと報告されている。筋注のばあいは, そのピークは1時間後にあつて, 250mgでは4.5mcg/ml, 500mgでは8.0mcg/mlである。さらに排泄については内服のばあいは6時間以内に30~40%, 筋注のときは8時間以内に60~70%が尿中に排泄される。
毒性については'マウスのLD50は経口投与では1,500mg/kgであり, 犬に対して125~250mg/kgを連日投与を3カ月間おこなつても毒性はみとめられなかったといわれている。

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