The Journal of Antibiotics, Series B
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胆道感染症に対するMethacycline (Rondomycin) の実験的ならびに臨床的検討
岩田 豊治今 忠正久米 祥彦藤沢 純爾柿田 章西代 博之斎藤 修弥櫛田 正一小林 良二江端 英隆
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1967 年 20 巻 6 号 p. 420-423

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抄録

胆道感染症は, その起炎菌決定の困難さ, さらには胆嚢造影不能例, 胆道系結石合併例, また反復する再発例等, 治療に困難をきわめることが, はなはだ多い。胆道感染症は衆知のように, 胆道系結石を伴なうばあいが少なくない。したがつて, 外科的治療の適応となる症例が比較的多い。一般的に, 外科的治療は, その間歇期が適応とされているが, しばしば, 急性腹症を呈するばあい, または, 急性症状期の症例に対して, 手術を施行しなければならないことがある。このようなとき, 術前および術後の管理に, または, 胆道系疾患に対する術後の感染予防として, 広範囲スペクトルをもち, 胆汁内排泄量の多い抗生物質を, 選択することが望ましい。
1959年, BLACKWOOD等によつてOxytetracyclineから誘導されたMethacycline (Rondomycin ‘Pfizer’) は, 血中濃度, 抗菌効果, 副作用など多くの点で, 広範囲抗生物質である従来のTetracycline系薬剤とくらべて, 優れているとされている。
われわれは, 胆道系疾患の外科的治療にさいして, 胆道感染症の治療および予防に対するMethacyclineの適性に関して検索し, さらに, 少数例ではあるが, 臨床的に使用し, 良効な成績を得たので報告する。

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