1953 年 6 巻 2 号 p. 70-72
抗生物質の生物学的微量定量法としては, 殊に体液内濃度の測定等の場合には, 鳥居, 川上等の重層法が実施も容易であり, 且つ正確なことが認められている。玉川等は, 重層法の被検菌として枯草菌 (K株) の使用を報告しているが, この方法はメチレン青や血液を用いない点で, 実施がより容易である。さきに川俣が分離した1好気性有芽胞細菌B-21は, 殊にペニシリンに対して, 従来の報告に見ない程度の高感受性をもつことを知つたので, その菌を重層法の被検菌として用いて一層微量のペニシリンを測定できるのではないかと考えて, 本実験をおこなつた。