The Journal of Antibiotics, Series B
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ペニシリンの力価測定に關する研究 第4報
旋光計による力価測定について
福田 秀雄川中 正次郎岡本 喜久子
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1953 年 6 巻 3 号 p. 137-140

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抄録

第1報及び第2報にはCup法の誤差について, 第3報にはヨード法とCup法との比較結果について報告したが, 本報には旋光計によるベニシリンの力価測定に関して報告する。
旋光計によるペニシリンの力価測定に関して, 既に山崎等は次式が成立することを報告している。
但し, Pペニシリンの力価, qペニシリン溶液を酷酸ブチル, 燐酸緩衝液に順次転溶した液の元のペニシリン液に対する濃縮比。 (同氏の場合はq=10) α: 旋光度, k: 恒数
しかし, 上式はPとαに関する1次式で, しかもこの直線は原点Oを通ることを示しているが, はたして2変数Pとαとの間の回帰直線が1次式で表わされ, しかもそれが原点を通るかどうか, またPはαのみの函数で表わし得るか, それとも他の変数もPに影響を与えるものかどうか, 或いはまた試料の純度等によつてこの関係式は変化するかどうか, 等々の問題を検討するために種々の実験をおこない, その結果を推計学的に解析した。但し, 以下に述べる種々の実験結果はすべて現象論であつて, 決して本質論的な結論でないことを前以て断わつて置く。

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