The Journal of Antibiotics, Series B
Online ISSN : 2186-5469
Print ISSN : 0447-8991
ISSN-L : 0447-8991
ペニシリンの力価測定に關する研究 第3報
ヨード法とCup法との比較
福田 秀雄市橋 淑子石田 光枝
著者情報
ジャーナル フリー

1953 年 6 巻 3 号 p. 132-136

詳細
抄録

筆者等は先に第1報, 第2報において, Cup法によるペニシリンの力価測定に際して生ずる測定誤差及びその技術管理のための図表の作成に関して報告し, 測定者がよく注意して操作すれば, かなりの精度で力価を測定し得ることについて述べた。しかし, このCup法は, 精度を高めるには操作が繁雑であり, しかも結果の判定に長時間を要するという不便がある。従がつて, 試料がかなり純粋に近ければ,(たとえばSecond rich water (II R. W.と略す), Final rich water (F. R. W.と略す) 等), Cup法よりもヨード法のほうが有利である。
ヨード法に関しては既にMUNDELL, HISCOX, ALICINO等の報告があり, ペニシリン基準にも, この方法が採用されている。ところが, 前記のHISCOX, ALICINO等の報告におけるヨード法とCup法との比較は, 甚だ不正確であり, これを以てそのまゝ両方法の近似性, 或いは相異性を推論することは不可能である。またMUNDELLは, やゝ統計的に両方法を比較しているが, 単に結晶ペニシリンGに就いてしか述べていない。そこで我々は実用的見地から主としてII R. W. 及びF. R. W. について統計的処理に基ずいて両方法の比較をおこなつた。また, 或る種の目的で, 油性プロカインペニシリン (P. P. O.と略す) についても参考的に比較をおこなつた。

著者関連情報
© 公益財団法人日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top