The Journal of Antibiotics, Series B
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B. brevisの産生するポリペプチド性抗生物質に関する研究
第1報新抗生物質Brevolinについて
元村 裕
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1955 年 8 巻 9 号 p. 391-400

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抄録

本研究の概要は, 昭和28年9月19日第23回日本抗生物質学術協議会関西支部研究会, 及び昭和30年4月5日第28回日本細菌学総会において発表し, 一部は速報として, J. Antibiotics, Ser. A. 7 (1): 25, 1954に英文で報告した。
放線状菌の産生する抗生物質の探索に関して, 現今までに非常に多くの業績があるが, 有芽胞細菌の産生する抗生物質, 殊に抗結核性を示す物質についての報告は少い。私は約3,000種の有芽胞細菌のスクリーニングテストをおこない, その中から抗結核性をもつB.brevisの1新株を見出し得た。
有芽胞細菌の産生する抗生物質のうち, B.brevisの産生するものとしては, Gramicidin(1)(2)(3)(4), Tyrocidin(3)(4), Gramicidin S(5), Brevin(6), Gramicidin J (7) 及び安斎等の抗生物質 (8)(9) のみである。私の分離したB.brevisの産生する抗生物質を比較して見ると, これらのいずれとも異なり, 全く新らしい物質であると判断し得るに至つたので, これに対し'Brevolin'という名称を与え, その生物学的, 化学的研究をおこなつた。

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