The Journal of Antibiotics, Series B
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枯草菌の産生する抗真菌性物質に関する研究
田中 譲
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1956 年 9 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

B. subtilisの産生する抗生物質として, 現在まで報告されたものには, Antibiotic X. G(1),: Bacillomycin(2), Eurnycin(3), Mycosubtilin(4), Bacitracin(5), Bacilipin A及びB, Bacilysin(6), Endosubtilysin(7), Globisin(8), Subtilin(9), Subtilysin(10), Subtenolin(11), Subtilin C(12), Xanthellin(13), 等がある。
近時, 病原性真菌類に対する抗生物質の発見が急務とされ, 数多の新抗真菌性抗生物質を生み出した。しかしながら, それらは大多数Streptomyces属のつくり出す物質であり, 細菌類のりくるものは極めて少く, 臨床上に用いて効果の認められているものは少ない。
ここに報告する新抗真菌性物質B-456物質は, 枯草菌に属する1細菌のつくるもので, 現在までに報告された抗真菌性抗生物質とはその性質を異にし, 別に報告(29)したように, その臨床成績の結果に照らしても, 今後の研究と相俟つて, かなり期待し得るものと思われる。

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