The Journal of Antibiotics, Series B
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塩基性水溶性抗生物質229および229Bについて
須貝 哲郎
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1956 年 9 巻 4 号 p. 170-179

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抄録

WAKSMANが放線菌からStreptothricin1) およびStreptomycin2) を単離して以来, このStreplomycin-streptothricin群と総称される抗生物質は, 現在までにかなり多数報告されている。 更にNeomycin3)が単離され, 他方, 抗生物質に関する研究が発展するにつれて, この抗生物質群を塩基性水溶性抗生物質として総称する傾向になつてきた。 著者らも先にこの群に属する3種の抗生物質について報告したが4), ここにはS. lavendulae群5) に属するNo.229株から単離した229物質および229B物質について, また放線菌229株の菌学的諸性状を報告する.
229物質はかなり低い毒性と抗酸性菌に対するかなり強い増殖阻止力のために, その臨床的使用の可能性も考えられていたが, 遷延性毒力を有する物質229B物質の生産のために, 工業的生産並びに臨床的応用を断念したものである。

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