1968 年 21 巻 3 号 p. 105-106
ペニシリンの登場以来, 各種の抗生物質が次々に開発され, 応用されているが, それらの発展と相侯つて, 薬剤耐性菌の出現も無視できぬ問題となり, 臨床治療を困難にする理由の1つとなつている。私たちは, 今回種々の抗生物質療法に抵抗した腸チフス菌性胆のう炎, 大腸菌性胆のう炎にAminobenzyl penicillin (シレラール, 日本ブリストル) が著効を奏した各1例を経験した。胆道感染の治療にAminobenzyl penicillin (AB-PC) は, きわめて重要な役割を果しうると思われるので, ここにその概要を報告する。