The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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内科領域におけるTriple Tetracyclineの使用経験
杉野 俊一
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1968 年 21 巻 4 号 p. 192-196

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抄録

Triple Tetracycline (TTC) は, Chlortetracycline (CTC), Tetracycline (TC) およびDemethylchlortetracycline (DMCT) の3者をカプセル (錠) 300mg中に1:1:0.6の割に含むTC系合剤である。
CTCは, 消化管よりの吸収もよく, pH約2.0で最も安定で, 酸性に傾く炎症巣ではpH7.0でテストされたin vitroの抗菌力よりも強く働くと思われるが, pH7.0では不安定であり, また, 悪心, 嘔吐, 下痢などの副作用が少くない欠点をもつ。
TCは, 37℃, pH7.0ではTC剤のうち最も安定で, かつ副作用も少いので, TC剤のうちで最も多く用いられる。
DMCTは, 抗菌力もTCより強く, 体内では安定で, 排泄がおそく, TC剤のうち最も血中濃度が高くなるが, 胃腸障害は最も強く, 光線過敏症などもおこしやすい欠点をもつといわれている。
TTCは, これら3者の利点を生かし, 欠点を相補う意味で開発されたものであるが, われわれはその血中濃度および臨床的効果を検討する機会を得たので報告する。

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