The Japanese Journal of Antibiotics
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21 巻, 4 号
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  • 米沢 昭一, 畦地 速見, 中村 久, 鈴木 勝夫, 二宮 幾代治
    1968 年 21 巻 4 号 p. 169-182
    発行日: 1968/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    抗生物質を混合し, 化学療法剤として応用する傾向は近年盛んで, 国の内外を問わず, 特に動物薬において著るしい。これら混合抗生物質製剤の分離定量については, これまで, 各種試験菌のうち原株を使用して, 各種抗生物質と混合されたペニシリン (PC) の分離定量1)をはじめ, ジヒドロストレプトマイシン (DSM) 3), フラジオマイシソ (FM) 4), ロイコマイシン (LM) 4), クロルテトラサイクリン (CTC) 2)およびバシトラシン (BC) 3)についての試験をおこない, その成績は過去数回にわたつて, 目本化学療法学会に報告した。しかし, 試験菌原株のものつ抗生物質分離能力には, おのずから限度があるので, この限界を越えた高い濃度の抗生物質が混入されたばあい, 混合試料のままでは, 定量したい目的の抗生物質のみの力価を確実に証明することが不可能なばあいが生じてくる。
    このように, 混合抗生物質の濃度が増大したばあい, その混合抗生物質に対する試験菌の耐性度を上げることによつて, 目的とする抗生物質の分離は容易になるわけである。われわれは, このような意図に基づいて, 耐性という特殊能力をもつ試験菌の育成と, その応用方法に関する試験をすすめてきた。
    獲得させる耐性の程度は, 混入を予想される抗生物質の量によつて左右されるが, われわれは試験菌の活力が著るしく阻害されない限り, できるだけ高度の耐性を付与することにつとめた。しかし, 抗生物質の種類や, 試験菌によつて, 耐性がなかなか高まらないものと, 比較的早く高まるもの, または天井知らずの上昇性を示すものなどがある。また, ある程度高い耐性を付与しても, 普通寒天継代をつづけるとき, 急速に低下してしまうもの, または非常に安定しているものなどがある。
    われわれは, 高度の耐性を付与した, しかも安定性を兼ねそなえた4種のDSM耐性株について, DSMと混合する他の抗生物質の分離定量試験をおこない, 実用的に応用価値の高い成績を得たのでその概要を報告する。
  • 中沢 昭三, 井上 寿子, 入江 麗子, 大和田 美津子, 岡嶋 秀矩
    1968 年 21 巻 4 号 p. 183-187
    発行日: 1968/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    本論文の要旨は, 昭和42年12月2日, 広島で開催された日本化学療法学会第10回西日本支部総会において報告した。
    Macrolide系抗生物質とChloramphenicolとの複合剤としては, すでにOleandomycinとChloramphenicol, またはLeucomycinとChloramphenicolの組合わせが報告され, 治療に導入されている。
    今回, 私どもは, Spiramycin (SPM) およびAcetylspiramycin (AC-SPM) の細菌学的研究の一環として, 同じくMacrolide系抗生物質であるこれら抗生物質とChloramphenicol (CP) との2, 3の組合わせによる併用効果について, 各方面から検討したので, その成績について報告する。
  • 後藤 晋, 前田 克孝, 高橋 昭三, 川上 保雄
    1968 年 21 巻 4 号 p. 188-191
    発行日: 1968/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    レダリー社で開発されたTriple Tetracyclineは, Chlortetracycline, Tetracycline, Demethyltetracyclineがらなる抗生物質で, 本剤300mgカプセル1カプセル中の3剤の含有量は, それぞれ115.5mg, 115.5mg, 69.0mgである。われわれは, 本剤についてその血中濃度および臨床効果について検討する機会を得たので, 報告する。
  • 杉野 俊一
    1968 年 21 巻 4 号 p. 192-196
    発行日: 1968/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Triple Tetracycline (TTC) は, Chlortetracycline (CTC), Tetracycline (TC) およびDemethylchlortetracycline (DMCT) の3者をカプセル (錠) 300mg中に1:1:0.6の割に含むTC系合剤である。
    CTCは, 消化管よりの吸収もよく, pH約2.0で最も安定で, 酸性に傾く炎症巣ではpH7.0でテストされたin vitroの抗菌力よりも強く働くと思われるが, pH7.0では不安定であり, また, 悪心, 嘔吐, 下痢などの副作用が少くない欠点をもつ。
    TCは, 37℃, pH7.0ではTC剤のうち最も安定で, かつ副作用も少いので, TC剤のうちで最も多く用いられる。
    DMCTは, 抗菌力もTCより強く, 体内では安定で, 排泄がおそく, TC剤のうち最も血中濃度が高くなるが, 胃腸障害は最も強く, 光線過敏症などもおこしやすい欠点をもつといわれている。
    TTCは, これら3者の利点を生かし, 欠点を相補う意味で開発されたものであるが, われわれはその血中濃度および臨床的効果を検討する機会を得たので報告する。
  • 高田 道夫, 森 操七郎, 佐野 慎一
    1968 年 21 巻 4 号 p. 197-201
    発行日: 1968/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    日常臨床に使用されている抗生物質は, それぞれに特徴をもち, 広領域, 狭領域, 持続型, 非持続型, 毒性の強いもの, 弱いものとさまざまである。近年, これら抗生物質の特徴をいかして, 臨床応用の範囲を拡げようとする目的から2種以上の抗生物質の合剤の開発がさかんにおこなわれている。また, 新らしい抗生物質の発見, 普及と各種感染症起因菌の耐性獲得とは常にうらはらの関係にあり, 合剤開発の試みはこれら耐性菌に対する対策の1方法ともいえる。
    Triple Tetracycline (以下TTCと略) は, その目的で作られた薬剤の1つであり1錠300mg中に, Tetracycline hydrochloride (TC) 115.5mg
    Chlortetracycline hydrochloride (CTC) 115.5mg
    Demethylchlortetracycline hydrochloride (DMCT) 69mg
    を含み,その混合比は1:1:0.6の割合である。
    これら3抗生物質の配合によりDMCTの強い抗菌力, 長期持続型の特徴が生かされ, 比較的毒性の少ないTC, CTCを配合することによって毒性および副作用の比較的強いDMCTの量が軽減され, それぞれの単独投与よりは臨床の要求に適合したものとなっている。
  • 永野 健五郎, 近藤 圭介, 赤沢 泰秀, 荒井 潔, 武田 己広
    1968 年 21 巻 4 号 p. 202-205
    発行日: 1968/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Triple tetracycline (以下, TTCと略) は, Tetracycline hydrochloride (Achromycin), Chlortetracycline hydrochloride (Aureomycin), Demethyl chlortetracycline hydrochloride (Ledermycin) の合剤で, その比率は1: 1: 0.6である。各抗生物質は, 周知のように, いずれも広範囲な抗菌スペクトラムをもっている。これらを適当に配合することによる協調作用を期待してつくられたものである。
    われわれは, TTCの基礎的実験をおこない, 同時に臨床的にも使用し, いささかの知見を得たので報告する。
  • 松崎 明紀, 吉田 昭雄, 小野寺 邦介, 関野 実, 田戸 宣江, 浅野 昌子
    1968 年 21 巻 4 号 p. 206-220
    発行日: 1968/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Kasugamycin (以下KSMと略) は, 1964年梅沢浜夫等によつて開発されたStreptomyces kasugaensisの生産するAminoglycosidic groupの抗生物質で, 稲のいもち病に防除効果を示し, またその抗菌スペクトル, 吸収・排泄, 毒性等の実験から, 緑膿菌感染症, 特に尿路の緑膿菌感染症に対する効果が期待されている物質である。その構造, 理化学的性状, 抗菌性, 生物学的性状等については, 多くの報告がある。
    著者らは, KSMの医薬としての応用の見地から, その安全性に関する実験をおこなつた。本文では, KSMの急性毒性および一般薬理作用について報告する。
  • 1968年3月2日名古屋市藤久観光ホテル
    1968 年 21 巻 4 号 p. 221-229
    発行日: 1968/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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