The Japanese Journal of Antibiotics
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Penimepicycline (Hydrocycline) ならびにTetracycline系製剤の注射局所におよぼす影響
小松 信彦中沢 進岡 秀佐藤 肇今井 重信
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1969 年 22 巻 1 号 p. 27-31

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抄録

Tetracycline類の副作用1~3)としては, 筋注時の痛みが最も顕著なものであるが, この疼痛は注射直後のそれと, 持続する疹痛に分けられる。前者は, この薬剤のpHの低さに起因するもので, 局所麻酔剤の併用によつてかなりの程度緩和されると考えられる。しかし後者は, この薬剤の溶解度が低いことに起因し, 注射部位への薬剤の沈着, 組織傷害等によるもので, この疹痛を除くためには, 薬剤そのものの溶解度を高め, 組織における吸収を良好にすることが必要である。
Penimepicycline (PMC) は, Tetracyclineの易溶性誘導体4'-β-Hydroxyethyl diethylenediahlinomethyltetra-cyclineにPhenoxymethylpenicillin (Penicillin V) を結合させたもので, その溶解性の向上と抗菌スペクトルの広さによつて注目される薬剤である。
この度, われわれはPenimepicycline筋注用製剤の各種注射法による組織傷害の有無を他のTetracycline類一Tetracycline HCl (TC), Oxytetracycline (OTC) およびPyrrolidinomethyl tetracycline (PR-TC) と比較し, PenimePicyclineの組織に与える影響の少ないことを確認した。

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