The Japanese Journal of Antibiotics
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患者材料から分離された各種細菌の試験管内におけるPenimepicycline (Hydrocycline) 感受性
中村 正夫森 耕一
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1969 年 22 巻 1 号 p. 32-35

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抄録

Penimepicycline (Hydrocycline) はPEDRAZZOLI, GRADNIKおよびCLIPELLETTIらによつて合成された化合物で, 4'-(β-Hydroxyethyl)-diethylenediaminomethyl tetracyclineとPhenoxymethylpenicillinを水溶液中で反応結合させた塩結合体であり, 前者62.5%, 後者37.4%が含まれている。
従来のTetracycline (TC) にくらべ易溶性であるため, 非経口的に与えることによつて有効な治療効果をあげることができ, 経口投与によつてみとめられたTCの障害を除くことができ, また, 注射をおこなつたぱあいにも筋注用TC製剤に比較して, 肉眼的, 病理組織的所見からみても障害は軽度であり, 臨床的に使用したばあいの局所変化や疹痛が少ないといわれる。一方, このような薬剤について一般にの待されることは, 2つの抗生物質の相加, または相乗作用であると思う。
われわれは, 本剤について試験管内抗菌力試験をおこなう機会を得たので, 各種細菌について抗菌スペクトラムをみると同時に, 臨床検査材料から分離された新鮮分離株について薬剤感受性を測定し, 既知抗生物質と比較したので, これらの成績について述べる。

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