The Japanese Journal of Antibiotics
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新抗生剤Penimepicycline注の治験成績 第2報
内田 茂美
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1969 年 22 巻 1 号 p. 63-67

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抄録

最近, PEDRAZZOLI, GRADNIKら1)はテトラサイクリン分子中にHydroxyethyldiethylenediamineを導入してHydroxyethyldiethylenediaminomethyltetracycline (HDT) を合成し, このものは従来のテトラサイクリン塩より遙かに溶解性が高く, 非経口投与が容易であり, 高い血中濃度に達し得られるが, さらにこのものにPhenoxylnethylpenicillin酸2) (PC-V) を結合させて得られた新化合物, 4'-(β-Hydroxyethyl)-diethylenediaminomethyltetracycline Phenoxymethylpenicillinate (Penimepicycline) は非常に高い溶解性をもち, ペニシリン耐性菌に対しても強い抗菌力を示し3), しかも作用時間が長く4), 副作用が少いこと5)が報告されている。CERVINIら6)によると, PC-VはHDTとの結合によって再活性7)されることによるものと解釈され, あるいは両者相互の賦活作用をみとめ, 各々別個の最少阻止濃度にくらべ, 2つの結合したものではより低い量で抗菌活性をみとめている。またFERREROら3)は, HDTによる細菌のペニシリナーゼ産生減少が関与するという。本剤の臨床応用については, すでに多くの報告8~11)があり, 筋肉内注射によつて高い血中濃度が得られている4, 12~14)。
著者はさきにミドリ十字からPenimepicycline剤であるHydrocycline (以下, +PMC) の提供を受け, 諸種感染症に使用し良好な臨床効果を報告したが, 今回はその後の臨床治験成績について報告する。

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