1969 年 22 巻 4 号 p. 303-307
Streptomyces lincolnensisの産生するLincomycin(MAsoNら)は, 主としてGram陽性菌に作用する抗生物質で, 広く臨床応用がおこなわれているが, 最近その新らしい誘導体であるClindamycin(7-Chlorolincomycin)が発表され(MASON), Lincomycinよりさらに広い抗菌像と強い抗菌作用をもつことが報告されている(GRADYら)。その薬理作用については, 急性, 亜急性および慢性毒性, さらに催奇形作用などについての報告(FEENSTRIA, GRADY)や, 一般薬理作用についての検討(中塚ら)がおこなわれているが, その中枢作用についての報告は見当らない現状である。
そこで, われわれはClindamycinの各種中枢作用について詳細な検討をおこない, 次のような結果を得た。