The Japanese Journal of Antibiotics
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22 巻, 4 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 中沢 昭三, 小野 尚子, 西野 武志, 川辺 晴英, 大久保 幸子, 辻 千寿子
    1969 年 22 巻 4 号 p. 269-275
    発行日: 1969/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    経口用合成Cephalosporinに関する細菌学的研究としては, まず最初の経口用としてWICKおよびBONIECEらによるCephaloglycinに関する研究がみられる。次いで, 第2番目の経口用のものとしてCephaloglycinよりも更に種々の点において改良されたCephalexinがWICKあるいはMUGGLETONらによつて報告された。今回, 私共もCephalexin (CEXと略す) に関する細菌学的研究をおこなつたので報告する。
  • 1969 年 22 巻 4 号 p. 275-275,286
    発行日: 1969/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 中沢 昭三, 石山 正光, 大槻 雅子, 垣田 敬治, 木村 圭子
    1969 年 22 巻 4 号 p. 276-286
    発行日: 1969/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新抗生物質Rifampicinは, 1957年イタリアのLepetit社研究所において, 1放線菌Streptomyces mediterraneiから発見されたRifamycinの新らしい誘導体である。化学名は3-(4-Methylpiperazinyl-iminomethylidene-rifamycinSVで, 分子量822.97の無味, オレンジ色結晶性粉末であり, Methanol, Chloroformその他の有機溶媒に可溶である。水に対する溶解度は, pHによつて変るが, pH7.5では0.28である。化学構造はNMR, Electronspectroscopy, Potentiometry, Polarography分析などによつて決定され(C43H58N4O12), 酸化されるとキノンになる。Rifamycinについては, わが国においてはすでに第11回日本化学療法学会総会(大阪)シンポジウムとして, 基礎, 臨床両面から検討された結果, 生体内効果や注射局所の疼痛など種々の問題点が多く, イタリアにおいてはRifocinとして臨床的に使用されているが, わが国においては遂に日の目をみることができなかつた抗生物質である。ところが10年後の1667年に至つて, このRifamycin SVから新しい誘導体Rifampicinが半合成抗生物質として再登場し, 優れた生体内効果や経口投与による有効性, また一方では結核菌に対するすぐれた有効性など, その面目を一新した素晴しい成績がV. ARIOLI, R. PALLANZA, S. FURESZ, G. CARNITI, G. BOLZONI等によつて詳細に報告されている。
    今回, 私共の教室において, このRifampicin (以下RFPと略す) に関する試験管内ならびにマウス生体内における細菌学的研究をおこない2, 3の知見が得られたので, ここに報告する。
  • Clostridium tetani, Staphylococcus aureus および Diplococcus pneumoniae による実験
    須山 忠和, 小黒 義五郎, 土居 卓治, 井坂 健一
    1969 年 22 巻 4 号 p. 287-298
    発行日: 1969/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Lysozymeは, Micrococcus lysodeikticus や Bacillus sutilisなどの細胞壁多糖体を水解する溶菌酵素でをはじめ, 卵白, ヒトや動物の組織および分泌液中に広く見出され, 感染に対する自然抵抗性の要因の1つと考えられている。卵白に多量に存在し, その抽出単離が早くからおこなわれたため, これまでの研究には主としてこの卵白Lysozymeが用いられて来た。
    Lysozymeは, in vitroでグラム陽性菌に対して弱い抗菌性を示すが, グラム陰性菌に対しては直接的には, ほとんど抗菌力を示さないといわれる1~3)。しかし, 抗体と補体の関与する免疫溶菌系においては, Lysozymeがその溶菌反応を増強・促進することが知られている4~8)。また結核菌に対しては, in vitroで静菌的に働くといわれ9,10), さらに, 実験的結核感染家兎において, 細胞免疫の成立する時期に大喰球中のLysozyme活性が増加することから, この現象を結核菌の細胞内破壊と関連ずけようとする報告もみられる11)。
    1963年, JOLLES および共同研究者12)は, ヒト胎盤からLysozymeを単離・精製し, その理化学的性状を明らかにした。最近, Lysozymeの薬剤としての利用が広く試みられているが, IZAKA18, 14)らは, ヒト胎盤からLysozymeを単離・精製する新らしい方法を報告している。私共は, このヒト胎盤Lysozymeを用いて, 各種細菌に対する作用をしらべたところ, Staphylococcus aureus, Diplococcus pneumoniae, Clostridium tetaniに対してin vitroでは, ほとんど抗菌性を示さないにも拘らず, in vivoのマウス実験的感染症において明らかな救命効果を示し, 特に破傷風菌感染症に対して効果が著るしいことを見出した。この報告では, 胎盤-Lysozyme単独投与による治療効果をみると共に, Penicillin系薬剤との併用による作用増強効果についてもふれることとする。
  • 小栗 豊子, 小酒井 望
    1969 年 22 巻 4 号 p. 299-302
    発行日: 1969/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    私達は先に, 喀痰, 咽頭粘液からのHaemophilus属の検出状況とその抗生物質感受性について検討し1), 次にX因子, V因子含有ディスクを用いたHaemoPhilus属の簡単な分類法について報告した2)。その後, 上記の臨床材料からのHaemophilus属の菌種別検出状態と菌種による各種抗生物質に対する感受性の差違を検討したので報告する。
  • 田辺 恭子, 天野 泰子, 山崎 迪代, 坂本 寿子, 君島 健次郎
    1969 年 22 巻 4 号 p. 303-307
    発行日: 1969/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Streptomyces lincolnensisの産生するLincomycin(MAsoNら)は, 主としてGram陽性菌に作用する抗生物質で, 広く臨床応用がおこなわれているが, 最近その新らしい誘導体であるClindamycin(7-Chlorolincomycin)が発表され(MASON), Lincomycinよりさらに広い抗菌像と強い抗菌作用をもつことが報告されている(GRADYら)。その薬理作用については, 急性, 亜急性および慢性毒性, さらに催奇形作用などについての報告(FEENSTRIA, GRADY)や, 一般薬理作用についての検討(中塚ら)がおこなわれているが, その中枢作用についての報告は見当らない現状である。
    そこで, われわれはClindamycinの各種中枢作用について詳細な検討をおこない, 次のような結果を得た。
  • 川又 健吉
    1969 年 22 巻 4 号 p. 308-310
    発行日: 1969/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ampicillin (Aminobenzylpenicillin) と同じ6-Aminopenicillanic acidの誘導体として, 新らしくHetacillinがつくられた。今回, 万有製薬から治験用サソプルの提供を受け, 臨床的効果を検討する機会を得たので, 呼吸器系感染症の少数例に対する効果と, グラム陽性菌, 陰性菌の数種に対する感受性テストをおこなつた成績を報告する。
    Hetacillinが本質的にはAmpicillinと同じ抗菌スペクトルと効力をもつていることから, L. B. HOGAN等は, 牛体内では加水分解によつて, Ampicillinになるのではないかと考えている。両者の構造式は図1に示す。
  • 山作 房之輔, 土田 亮, 荒井 奥弘, 山崎 雅司, 亀山 宏平, 木戸 千元, 貝沼 知男
    1969 年 22 巻 4 号 p. 311-314
    発行日: 1969/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Hetacillinは, 広域性抗菌スペクトルをもつ新合成Penicillinで, 各種病原細菌に対する試験管内抗菌力は, Aminobenzylpenicillin(AB-PC)とほぼ等しく1, 2), 生体内においては, 内服時には腸内で, 筋注時には筋肉内で加水分解され, AB-PCとAcetoneに分かれてから吸収され, 血中に証明される抗菌性物質の大部分はAB-PCであるというものもある3)。内服, 筋注, 静注のいずれによつても使用され, 多目的な使用が可能である。
    私どもは, それぞれの製剤について, 主に臨床的な検討をおこなつた。
  • 坂口 一之, 水川 孝
    1969 年 22 巻 4 号 p. 315-316
    発行日: 1969/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aminobenzyl penicillin と類似の抗菌作用をもつ新らしい合成ペニシリンHetacillin (N, N'-Isopropylidene-α-aminobenzyl penicillin) を眼科領域において臨床的に使用し, その治療効果を検討したので, その成績を報告する。
  • 熊本 悦明, 田宮 高宏, 高塚 慶次
    1969 年 22 巻 4 号 p. 317-318
    発行日: 1969/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Hetacillin (筋注用) を尿路感染21例に使用した経験を述べる。時期は69年3~5月である。結果は, 表1に一括した。要点は次のとおりである。
  • 大腸菌に対するペニシリン系薬剤の抗菌力におよぼす尿pHの影響
    猪狩 淳, 国貞 行徳, 小池 薫
    1969 年 22 巻 4 号 p. 319-322
    発行日: 1969/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    私どもは, これまでに各種化学療法剤の抗菌力におよぼす尿pHの影響を大腸菌についてin vitroの実験によつて検討し, その成績を報告した1, 2)。今回は, ペニシリン系薬剤について, 前報同様の実験方法によつて, 大腸菌に対する抗菌力と尿pHの関係を検討したので報告する。
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