The Japanese Journal of Antibiotics
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Penicillin類と血清タン白との結合性に関する研究
Penicillin-血清タン白結合の2, 3の性状について
村川 武雄若井 芳美戸井 康子西田 実
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1969 年 22 巻 5 号 p. 387-393

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抄録

Penicillin (PC) 類と血清タン白との結合については, すでに多数の報告がある。それらの報告によれば, 結合性の弱いAmpicillinから, 非常に結合性の強いDicloxacillinまで, PC類の側鎖構造によつて結合性が異なり, 6位のAcyl基が結合性に大きな影響を与えることがうかがえる。また, 一般にこの結合は強固なものではなく, 可逆的であることもよく知られた事実である1~6)。しかし, 血清タン白とPC類との結合様式および結合の意義については, 現在のところあまり知られていない。
われわれは, 血清タン白とPC類との結合率を簡単で短時間におこなえる遠心限外涙過法を用いて測定し, ゲル涙過法, 紫外部吸収スペクトルの測定をおこない, 結合について2~3の知見を得たので, これについて報告する。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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