The Japanese Journal of Antibiotics
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22 巻, 5 号
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  • 徳田 久弥, 湊谷 寛治
    1969 年 22 巻 5 号 p. 349-351
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cloxacillin-Ampicillin (Viccillin S ‘Meiji’) は, Cloxacillin (Methylchlorophenylisoxazolml penicillin: MCI-PC) とAmpicillin (Alninobenzyl penicillin: AB-PC) の等量合剤で, AB-PCの広域スペクトル抗菌性とMCI-PCの特にブドウ球菌に対する高い抗菌力のふたつを特長とする抗生物質製剤ということができる。
  • 1969 年 22 巻 5 号 p. 351-351,354
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 浜田 稔, 番場 敏行, 上村 友也, 森田 穣
    1969 年 22 巻 5 号 p. 352-354
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    FLEMINGのPenicillin発見以来, 数多くの抗生物質が見出されて来たが, このPenicillinを構成する6-Aminopenicillanic acidの分離に成功して以来, 種々の新らしい合しPenicillinが誘導されている。その1つであるMethylchlorophenmlisoxazolyl penicillin (Methocillin S ‘Meiji’) は, 耐酸性, 抗ペニシリナーゼの性質をもち, 近年特に問題となつている耐性ブドウ球菌に対しても強い抗菌力をもつている。また, 他の内服ペニシリンと比較して高い血中濃度を示し, ブドウ球菌, 連鎖球菌, 肺炎球菌, 淋菌等の主としてグラム陽性菌に対し抗菌力をもつ。
    近時, グラム陰性菌に対しても抗菌力をもつ合成ペニシリンの研究, 開発がおこなわれ, 他の合成ペニシリンと同様, 6-Aminopenicillanic acidを母核としてAminobenzyl penicillin (Viccillin ‘Meili’) が誘導された。この物質は, ペニシリン系抗生物質としては最初の広範囲抗生物質であり, グラム陽性菌はもちろん, 大腸菌, 変形菌, 赤痢菌などのグラム陰性菌に対しても抗菌力をもつことは大きな特徴といえる。特にグラム陽性菌に対して抗菌力をもつCloxacillinとグラム陰性菌に対しても抗菌力をもつAmpicillinとの配合によるCloxacillin-Ampicillin合剤の登場は, われわれが期待した薬剤の1つであるといえよう。
    われわれは, 次のような種々の外科的化膿性疾患をもつ患者に対して, 筋肉内注射, 静脈内注射または経口投与をおこなつた。このうち, 2, 3の興味ある経過を示した患者の臨床経過について報告する。なお, できる限り他の抗生物質との併用, 抗炎症性物質の投与は避けた。
  • 馬場 駿吉, 大橋 道三
    1969 年 22 巻 5 号 p. 355-360
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近は新らしい抗生物質の開発や, 既存の抗生物質の新らしい誘導体の合成によつて, 次々特徴的な抗菌力をもつ薬剤が登場し, 感染症の化学療法の進歩に大いに寄与しているが, 広範囲の抗菌スペクトラムをもち, 殺菌的に作用する強力な抗菌力を兼ね備えた理想的な抗生物質はなかなか見出しがたい。そこで, すでに使用されている抗生物質を併用して, それぞれの欠点をおぎない, 抗菌スペクトラムを拡大し, さらに協力作用または相加作用によつて抗菌力の増強をはかろうとする試みがおこなわれ, すでにその他種々の組合わせの合剤が実際に臨床に用いられていることは周知のとおりである。
    今回, そのような目的でつくられたAmpicillin (Aminobenzyl penicillin) とCloxacillin (Methylchlorophenylisoxazolyl penicillin) の合剤 (Viccillin S ‘Meiji’) を耳鼻咽喉科領域感染症に臨床応用する機会を得たので, その成績について報告する。
  • 中川 圭一, 可部 順三郎, 渡辺 健太郎, 横沢 光博
    1969 年 22 巻 5 号 p. 361-363
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Hetacillinは, Bristol Laboratoriesで開発された, 次のような構造式をもつ抗生物質であり, Aminobenzyl penicillin (Ampicillin) にCH3基が2コ結合したものである。その抗菌スペクトル, 抗菌力, 吸収, 排泄, 臓器内分布はAmpicillinとほぼ同様である。ただし, 血中濃度の持続がHetacillinのほうがいくらかすぐれているとの報告がある。
    われわれは本剤の抗菌力, 吸収, 排泄について, Ampicillinと比較検討し, 内科領域の感染症13例に対して本剤を注射し, すぐれた臨床効果をえたので, これらの成績について報告する。
  • 山下 幸紀
    1969 年 22 巻 5 号 p. 364-365
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    前回は, 産婦人科領域における尿路感染症に対して, Hetacillin錠を使用し, 好成績をえ, その結果を報告した。今回は, 本剤の非経口投与による成績をえたので, その概要を報告する。
  • 池本 秀雄, 久内 治, 藤井 徹也
    1969 年 22 巻 5 号 p. 366-368
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    感染症の治療は, 原因菌の決定とそれに適合した化学療法剤の選択が理想であるが, 実際問題としては, 原因菌の検出が方法論的に困難なことが少なくなく, それにまた複数菌による感染のばあいもある。
    昨今の化学療法剤の開発が, 広スペクトルムのものに方向づけられる傾向があるのは当然であるとしても, これらの薬剤は特定の細菌には抗菌作用が弱いことが少なくない。たとえば, 敗血症, 心内膜炎患者の血液から分離した黄色ブドウ球菌7株に対するアミノベンジルペニシリン (AB-PC) とメチルクロロフェニルイソキサゾリルペニシリン (MCI-PC) の試験管内抗菌力を比較すると, 後者がより強力であつた (表1)。
    AB-PCは広スペクトルムトいう点では最初のPC系製剤であり, その臨床効果はきわめて高く評価されている。しかし, 表1の成績のように, 球菌, ことにブドウ球菌に対する抗菌力がやや弱く, したがつて本菌に最も有効とされているMCI-PCなどをAB-PCに配合することは, 少なくとも理論的には, きわめて有用であると考えられる。
    呼吸器感染症, ことに肺化膿症, 気管支拡張症などでは, 球菌, たとえば肺炎球菌, ブドウ球菌, 連鎖球菌などと桿菌, たとえばインフルエンザ球菌, 肺炎桿菌, 大腸菌など, さらには嫌気性菌との混合感染に遭遇することが多く, このような症例にはAB-PCとMCI-PCのような合剤はとくに有効と考えられる。
    AB-PCとMCI-PCの配合比率については困難な問題はあると思うが, 今回は両者が同比率であるピクシリンS‘明治’を呼吸器感染症, 敗血症など多くが重症感染症と考えられている20例に使用したので, その成績を報告する。
  • 池本 秀雄, 久内 治, 藤井 徹也
    1969 年 22 巻 5 号 p. 369-371
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    アミノベンジルペニシリン (AB-PC) とメチルクロロフェニルイソキサゾリルペニシリン (MCI-PC) の合剤 (ピクシリンS‘明治’) の内服薬の有効性については別紙に報告したとおりである。
    今回は, 注射薬の使用経験について述べるが, 注射は内服にくらべて, 当然確実で, しかも高い血中濃度がえられる。ただ, 一般に知られているように, アレルギー反応の頻度がより高いのと, とくに外来などにおいては注射を持続する煩雑さが欠点であろう。
    今回, 治療対象となつたのは, 主として重症感染症をもつ入院患者であつた。
  • 石神 襄次, 原 信二, 三田 俊彦
    1969 年 22 巻 5 号 p. 372-377
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aminobenzyl penicillin (AB-PC) とMethylchlorophenylisoxazolyl penicillin (MCI-PC) の合剤であるViccillin S ‘明治’について基礎的, 臨床的検討を加えたので報告する。
  • 鈴木 隆
    1969 年 22 巻 5 号 p. 378-382
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    N, N'-Isopropylidene-α-aminobenzyl penicillin (Hetacillin)(Natacillin ‘Bamyu’) は, AB-PC関連の新合成ペニシリン剤として研究開発されたもので, アメリカBristol社に於いてHetacillinと呼ばれ, 分子式はC19H23N3O4S, 構造式は右のとおりであり, 化学名は6-(2, 2-Dimethyl-5-oxo-4-phenyl-1-imidazolidinyl)-3, 3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo (3, 2, 0) heptan-2-carboxylic acidである。
    薬理作用は, アミノペンジル・ペニシリン (AB-PC) とほぼ類似するが, 毒性が弱く, 酸による分解が少く, 胃腸ならびに筋肉内注射の吸収がすぐれ, グラム陰性・陽性菌に対し広範な抗菌スペクトルをもつ抗生物質といわれている。著者は, 札幌医大病院小児科において, 上気道炎その他の疾患について本剤の使用経験を得たので, その若干の知見を報告する。
  • 小林 裕
    1969 年 22 巻 5 号 p. 383-386
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    合成Cephalosporin Cの誘導体であるCephalothinおよびCephaloridineは従来の抗生物質と交叉耐性をもたず, しかも殺菌的に働く新広域抗生物質として注目を集め, 多くの臨床実験の結果, その有効性が確かめられ, すでに広く一般臨床に賞用されている。しかし, これら2剤は内服によつては有効な血中濃度が得られないため, 一部の腸管感染症については, なお検討の余地が残されていないわけではないが, 非経口投与にのみ使用されている。したがつて, 経口投与の可能な合成Cephalosporin C誘導体の出現が期待されていた。Cephaloglycinは, この目的で開発されたものであるが, 吸収が悪く, 所期の効果を収め得なかつた。これに対して, 今回登場したCephalexinは, 抗菌力はCephaloridineにくらべて一般に劣るものの, 経口投与で充分な血中濃度が得られるので, 試用に値するものと考えられる。Cephalexin Capsuleの効果については, すでに本年4月の第17回日本化学療法学会総会においてシンポジウムがおこなわれ, その有効性がみとあられた。しかし, 小児ではCapsuleの内服は困難なばあいが多く, しかも使用量の関係からもCapsuleのように一定量に限定されては困るので, Suspensionの剤形のものが必要である。今回, 鳥居製薬からCephalexin Suspensionの提供を受けたので, その臨床使用成績について検討した。
  • Penicillin-血清タン白結合の2, 3の性状について
    村川 武雄, 若井 芳美, 戸井 康子, 西田 実
    1969 年 22 巻 5 号 p. 387-393
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Penicillin (PC) 類と血清タン白との結合については, すでに多数の報告がある。それらの報告によれば, 結合性の弱いAmpicillinから, 非常に結合性の強いDicloxacillinまで, PC類の側鎖構造によつて結合性が異なり, 6位のAcyl基が結合性に大きな影響を与えることがうかがえる。また, 一般にこの結合は強固なものではなく, 可逆的であることもよく知られた事実である1~6)。しかし, 血清タン白とPC類との結合様式および結合の意義については, 現在のところあまり知られていない。
    われわれは, 血清タン白とPC類との結合率を簡単で短時間におこなえる遠心限外涙過法を用いて測定し, ゲル涙過法, 紫外部吸収スペクトルの測定をおこない, 結合について2~3の知見を得たので, これについて報告する。
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