The Japanese Journal of Antibiotics
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Aminocyclohexylpenicillin (AC-PC) の抗菌作用
土屋 皖司大石 登喜子岩岸 千賀
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1970 年 23 巻 1 号 p. 30-36

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抄録

Gram陽性菌およびGram陰性菌に抗菌性を示すPenicillinとして, Ampicillin, Carbenicillin, Hetacillinなどがある。前2者は, 化学的に類似構造をもち, HetacillinはAmpicillinから誘導したもので, 容易にAmpicillinに転換できる1) 。
ALBERNら2) が合成したAminocyclohexylpenicillin [6-(1-Aminocyclohexane carboxamido) penicillanic acid (AC-PC)] は, Gram陽性およびGram陰性菌に抗菌性を示す。しかし, 上記の3種Penicillinと異なつて, 化学的にCyclohexane環をもつ新化合物である。その化学構造は, 下記のとおりである。
AC-PCは, in vitroにおける抗菌力がAmpicillinに劣る3) が, 実験的マウス感染症治療効果はAmpicillinと著差がみられない4, 5) 。また, 本合成Penicillinの経口投与は, きわめて高い血中濃度が得られる3) 。
著者らが実験したAC-PCのin vitro抗菌作用成績は, ROSENMANら3) が示したそれとほぼ同様であつた。

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