The Japanese Journal of Antibiotics
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23 巻, 1 号
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  • 今野 淳, 大泉 耕太郎, 林 泉
    1970 年 23 巻 1 号 p. 1-25
    発行日: 1970/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年種々の合成ペニシリンが創製されているが, いずれもペニシリンの母核である6-アミノペニシラン酸 (6-APA) に側鎖を付加したものである。そのうちアミノベンジルペニシリン (AB-PC, Viccillin Meiji) は広域合成ペニシリンで, グラム陽性菌 (ブドー球菌, レンサ球菌, 肺炎球菌など) およびグラム陰性桿菌 (インフルエンザ桿菌, ブリードレンデル桿菌, 大腸菌, 赤痢菌など) に有効である。ただし, ペニシリン-G (PC-G) 耐性のペニシリナーゼ産生菌には有効でない。一方, メチルクロロフェニルイソキサゾリルペニシリン (MCI-PC, Methocillin S, Meiji) は, グラム陽性菌に抗菌作用をもつが, ことにペニシリナーゼ産生ブドー球菌に有効である。この2つの合成ペニシリンの1: 1の合剤 (Viccillin S Meiji) は, ペニシリナーゼ産生ブドー球菌を含むグラム陽性菌およびグラム陰性菌に広範囲に有効であると考えられる。肺の急性感染症, 特に肺化膿症などは, 1種の細菌のみでなく, 混合感染を起こしていることが少くない。また, 一般的に急性の感染症でも, 原因菌を同定し, 感受性検査の結果が判明するまでに数日を要する。したがつて, 急性の疾患には, 初めできるだけ広範囲に有効な薬剤を投与するのが原則である.
    以上の理由で広域合成ペニシリンを使用することは意義があると考えて, 肺感染症を主とした内科的感染症にAB-PCとMCI-PCの合剤 (以下AB・MCI-PCと略) を使用してその効果を観察した。そのさい, AB-PCおよびMCI-PCを対照として用いた。
  • 青河 寛次, 金尾 昌明, 奥村 次郎
    1970 年 23 巻 1 号 p. 26-29
    発行日: 1970/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ampicillin-Cloxacillin (Viccillin S Meiji) 1回500mg内服時の血中濃度を患者4例 (年令28~52才, 体重46~62kg) について測定した。測定法は, Strepfococcus haemolyticusを被検菌とする重層法により, 0, 0.5, 1, 2, 4, 6, 12時間後の7回, 採血検索した。
    その成績は, 表1のとおりで, 投与30分値は1.3~trace (平均0.7) mcg/mlで, 1時間値3.1~0.9 (平均1.8) mcg/mlに上昇し, Peak levelは2時間値3.8~1.5 (平均2.8) mcg/mlであつた。以後, 血中濃度は低下しはじめ, 4時間値2.7~0.7 (平均1.9) mcg/ml, 6時間値1.3~0.5 (平均0.6) mcg/ml, 12時間後には検出されなかつた。
  • 土屋 皖司, 大石 登喜子, 岩岸 千賀
    1970 年 23 巻 1 号 p. 30-36
    発行日: 1970/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Gram陽性菌およびGram陰性菌に抗菌性を示すPenicillinとして, Ampicillin, Carbenicillin, Hetacillinなどがある。前2者は, 化学的に類似構造をもち, HetacillinはAmpicillinから誘導したもので, 容易にAmpicillinに転換できる1) 。
    ALBERNら2) が合成したAminocyclohexylpenicillin [6-(1-Aminocyclohexane carboxamido) penicillanic acid (AC-PC)] は, Gram陽性およびGram陰性菌に抗菌性を示す。しかし, 上記の3種Penicillinと異なつて, 化学的にCyclohexane環をもつ新化合物である。その化学構造は, 下記のとおりである。
    AC-PCは, in vitroにおける抗菌力がAmpicillinに劣る3) が, 実験的マウス感染症治療効果はAmpicillinと著差がみられない4, 5) 。また, 本合成Penicillinの経口投与は, きわめて高い血中濃度が得られる3) 。
    著者らが実験したAC-PCのin vitro抗菌作用成績は, ROSENMANら3) が示したそれとほぼ同様であつた。
  • 山崎 俊幸, 土屋 皖司
    1970 年 23 巻 1 号 p. 37-41
    発行日: 1970/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aminocyclohexyl penicillin (AC-PC) は, Gram陽性およびGram陰性菌に抗菌性を示す合成Penicillinである。本合成Penicillinのin vitroにおける抗菌作用は, ROSENMANら1) によつて報告された。著者らも, AC-PCがGram陽性菌に対して強い抗菌性を示すとともに, Gram陰性菌に対しても抗菌作用を示すことを報告した。
    AC-PCの実験的マウス感染症治療効果は, HOPPERら3) およびYURCHENCOら4) によつて, Gram陽性および陰性菌を用いて報告された。著者らも, Gram陽性菌 (Staph. aureusおよびStrept. pyogenes) およびGram陰性菌 (E. coli, Pr. vulgarisおよびK. pneumonim) 感染マウスにおけるAC-PCの治療効果を検討した。
  • 真下 啓明, 加藤 康道, 斉藤 玲, 松本 義孝, 桜庭 喬匠, 田中 一志, 松井 克彦, 出内 秀人, 矢島 勇, 富沢 磨須美, 中 ...
    1970 年 23 巻 1 号 p. 42-47
    発行日: 1970/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新合成Penicillin剤のAminocyclohexylpenicillin (AC-PCと略) について以下の研究をおこなつたので報告する。
  • 上田 泰, 松本 文夫, 中村 昇, 斉藤 篤, 野田 一雄, 古屋 千鶴子, 大森 雅久, 下条 貞友, 花岡 弘, 宇都宮 光明, 藤木 ...
    1970 年 23 巻 1 号 p. 48-52
    発行日: 1970/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cyclacillin (Aminocyclohexyl penicillin, 以下AC-PC) はAmpicillin (以下AB-PC) に類似の化学構造をもつ広域Penicillin剤である。本剤はPenicillinaseに対する抵抗性がAB-PCより強く, 内服剤でありながら, きわめて高い血中濃度が得られ, 組織内移行もすぐれている点に特徴がある。
    以下, 私達は本剤の菌感受性, 血中濃度, 尿中排泄, 腎排泄機序, 臓器内濃度などをAB-PCと比較しながら検討し, 内科系感染症のうち, とくに腎・尿路感染症に使用した成績をのべる。
  • 三木 文雄, 東 朋嗣, 岩崎 峭, 赤尾 満, 尾崎 達郎, 杉山 浩士, 羽田 囘
    1970 年 23 巻 1 号 p. 53-59
    発行日: 1970/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aminocyclohexyl penicillin [6-(1-Aminocyclohexane carboxamido) penicillanic acid](AC-PCと略) は, アメリカWyeth社において, 6-Amino-penicillanic acidから合成された広範囲有効といわれる新らしい半合成ペニシリンであるが, 本剤について基礎的検討をおこなうとともに, 諸種内科系感染症に使用したので, その成績を報告する。
  • 大久保 滉, 藤本 安男, 岡本 緩子, 束田 二郎, 牧野 純子
    1970 年 23 巻 1 号 p. 60-68
    発行日: 1970/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aminocyclohexyl penicillin (以下, AC-PC) の吸収, 排泄ならびに体内分布について検討した成績を述べる。われわれの成績を中心とするが, 日本化学療法学会第17回の総会において著者の1人, 岡本が集計報告したアンケートによる成績の一部 (血中濃度, 尿中排泄) をも述べる。アンケートに応じられた施設はTable1の14施設である。なお, ブドウ球菌および大腸菌の本剤に対する感受性の実験成績と臨床使用経験についても報告する。
  • 西村 忠史, 小谷 泰, 浅谷 泰規
    1970 年 23 巻 1 号 p. 69-75
    発行日: 1970/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Penicillinの合成化に成功して以来, 多種類の合成Penicillinが開発され, これによつて小児細菌性感染症の治療に大きい期待がもたれるようになつた。耐性ブドウ球菌感染症に対するMethylphenylisoxazolyl-penicillin, Methylchlorophenylisoxazolyl-penicillin, 大腸菌感染症に対するAminobenzyl penicillin (Ampicillin) など, その有効性についてはいうまでもない。したがつて, 最近これら薬剤は使用頻度もたかまり, 第1次選択薬剤として, 種種細菌感染症の治療において大きな役割を果している。しかし, 一方ではさらに新らしいものの開発に向つて努力が続けられており, それらは抗ペニシリナーゼ作用, 耐酸性, 広域抗菌作用のあるものに向けられている。さて, Aminocyclohexyl Penicillinは右記のような化学構造式をもち, Ampidllinに類似しており, 抗菌スペクトラムはAmpicillinと同様である。グラム陰性桿菌にも有効でPenicillin G耐性菌にも抗菌力を示すといわれる。しかし,in vitroでの抗菌力は, Ampicillinにくらべて劣るようである。
    今度著者らは, 本剤を小児各種細菌感染症に使用する機会をえたので, 基礎的検討成績と併せ報告する。
  • 石山 俊次, 坂部 孝, 古橋 雅一, 高橋 右一, 長崎 祥祐, 川上 郁, 中山 一誠, 西岡 伸也, 岩井 重富, 岩本 英男, 大島 ...
    1970 年 23 巻 1 号 p. 76-81
    発行日: 1970/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Phenoxyethylpenicillin (1959) に始まる合成ペニシリンは, 内服用 (抗酸性), 抗耐性 (抗分解酵素性), 抗酸抗耐性および広域性ペニシリンまで発展した。この広域性ペニシリンに属するAmpicillin (Aminobenzyl penicillin), Hetacillin, Carbenicillinは, それぞれ抗酸性で, 内服, 注射両用に適するが, 抗耐性がない。次に望まれるのは, 広域性で, かつ抗耐性のペニシリンであると, 普遍的に期待されていた。このような状況下で, Wyeth研究陣によつて開発されたAminocyclohexyl penicillin (以下AC-PC) は, その基礎実験によつてAmpicillin (以下AB-PC) と同様に広域性抗菌スベクトルを示し,in vitro抗菌力はグラム陽性菌およびグラム陰性菌ともにAB-PCに劣るが, Penicillin G (以下PC-G) 耐性菌に対してはAB-PCより強く作用するということであつた。このAB-PCより強い抗耐性が, はたして他の抗耐性合成ペニシリンのように, 耐性感染に対する臨床上の意義があるかどうか, あるとすれば合成ペニシリン群の中で, 新らたな進展を意味することになるので, その点を中心に臨床検討を試みることにした。
  • 柴田 清人, 加藤 剛美, 藤井 修照, 奥田 泰夫
    1970 年 23 巻 1 号 p. 82-86
    発行日: 1970/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aminocyclohexyl penicillin [6-(1-Aminocyclohexane carboxamido) penicillanic acid] (AC-PC) は, 米国Wyeth社で開発された合成Penicillinである。Ampicillinと類似の構造式をもち, その抗菌Spectrumは, Ampicillinと同様であり, Penicillin G耐性菌, グラム陰性桿菌にも有効な薬剤といわれる。
    われわれは, 本剤の提供を受け, 簡単な吸収, 排泄, 抗菌力並びに教室における外科的感染症に対する臨床使用成績について検討したので報告する。
  • 藤田 慎一, 荒田 次郎, 徳丸 伸之, 三好 薫, 小玉 肇
    1970 年 23 巻 1 号 p. 87-89
    発行日: 1970/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近われわれは, 新合成Penicillin, Aminocyclohexyl penicillin (Cyclacillin ‘Takeda’) を皮膚科領域において使用する機会を得たので, その臨床成績に基礎的データを加えて報告する。
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