The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるAminocyclohexyl Penicillinの検討
西村 忠史小谷 泰浅谷 泰規
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1970 年 23 巻 1 号 p. 69-75

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抄録

Penicillinの合成化に成功して以来, 多種類の合成Penicillinが開発され, これによつて小児細菌性感染症の治療に大きい期待がもたれるようになつた。耐性ブドウ球菌感染症に対するMethylphenylisoxazolyl-penicillin, Methylchlorophenylisoxazolyl-penicillin, 大腸菌感染症に対するAminobenzyl penicillin (Ampicillin) など, その有効性についてはいうまでもない。したがつて, 最近これら薬剤は使用頻度もたかまり, 第1次選択薬剤として, 種種細菌感染症の治療において大きな役割を果している。しかし, 一方ではさらに新らしいものの開発に向つて努力が続けられており, それらは抗ペニシリナーゼ作用, 耐酸性, 広域抗菌作用のあるものに向けられている。さて, Aminocyclohexyl Penicillinは右記のような化学構造式をもち, Ampidllinに類似しており, 抗菌スペクトラムはAmpicillinと同様である。グラム陰性桿菌にも有効でPenicillin G耐性菌にも抗菌力を示すといわれる。しかし,in vitroでの抗菌力は, Ampicillinにくらべて劣るようである。
今度著者らは, 本剤を小児各種細菌感染症に使用する機会をえたので, 基礎的検討成績と併せ報告する。

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