The Japanese Journal of Antibiotics
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Spiramycin誘導体に関する研究, 第1報
高平 汎志
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1970 年 23 巻 4 号 p. 424-428

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抄録

Spiramycinは, 1954年フランスのRhône-Poulenc研究所のS. PINNERT-SINDICOらによつて分離されたStreptomyces ambafaciens1) が産出するMacrolide系に属する抗生物質である。本物質は, 同じMacrolide系抗生物質であるErythromycin, Oleandomycinなどと同様, 主としてグラム陽性菌に右効である。Sniramvcinの化学構造については, 最初R. PAUL2) ら, 次いでM. E. KUEHNEら3) によつて改訂されたが, 最近, 大村ら4) によつてFig. 1に示す構造式が与えられた。この構造式から明らかなように, Spiramycinは16員環のラクトン, Mycarose, Mycaminose, Forosamineの3種の糖からなるMacrolide系抗生物質である。著者は, Spiramycinの各種の誘導体-還元物, 酸分解物, Ester-を合成し, 各種の生物試験をおこない, Spiramycimより遙かに治療効果が優れ, かつ酸に安定な誘導体を開発した。第1報では, Spiramycinの誘導体の合成とその抗菌性, 酸安定性について報告する。

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