The Japanese Journal of Antibiotics
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3', 4'-Dideoxykanamycin Bの催奇形性に関する研究
マウスおよびラットの胎仔および新生仔におよぼす影響
小枝 武美森口 政英
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1973 年 26 巻 1 号 p. 40-48

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抄録

3', 4'-Dideoxykanamycin Bの催奇形性をddマウスおよびDonryuラットを用いて検討した。
1. マウスでは, 腹腔内投与で400mg/kg群に89.7%, 筋肉内投与で250mg/kg群に64.1%の母体死亡がみとめられ, ラットでは筋肉内投与で300mg/kg群に35.0%の死亡がみとめられた。
2. 死亡胚の発現は, いずれのばあいも, 投薬群と対照群との間に著差はなかつた。
3. 胎仔の外形および骨格の異常出現は投薬群と対照群との間に著差はなかつた。
4. 分娩率, 哺育率, 新生仔の体重推移および諸臓器などに薬物の影響はみとめられなかつた。
5. 以上の結果から, DKBはマウスおよびラットの胎仔, 新生仔にたいして, 腹腔内, 筋肉内投与において催奇形性のない薬剤であると推察される。

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