The Japanese Journal of Antibiotics
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プロムレインの内服抗生物質投与後血中濃度に対する増強効果
高野 平石川 英之吉岡 正和小黒 義五郎
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1973 年 26 巻 2 号 p. 154-156

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抄録

一般に, 消炎治療剤として用いられている酵素剤のうち, 蛋白分解酵素に属するものにTrypsin, Nagase, Papain などがあり, これらはいずれも抗炎または抗浮腫作用が明らかにされており, 作用機作についても多くの報告がある。さらに, これらの作用とは別に, これらの酵素と抗生物質との併用は, 内服投与抗生物質の血中濃度上昇に促進的作用があることが注目されるにいたつた。RENZINI, VARENGOら1)は, 植物性蛋白分解酵素プロムレインを用い, テトラサイクリンとの併用投与によつて, 後者の血中濃度が約2倍に増大されると報告し, 柴田, 江崎, 佐藤ら2)は, 抗生剤と消炎酵素剤との併用実験で, VaridaseおよびTrypsinによるストレプトマイシンの血中濃度の著明な上昇, ピークの早期出現がみられると報告している。われわれも, プロムレインを用い, 2, 3の抗生物質との併用による抗生物質血中濃度に対する増強効果を, ウサギの腸管投与によつて検討したので, 以下報告する。

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