The Japanese Journal of Antibiotics
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26 巻, 2 号
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  • 三橋 進, 倉茂 達徳, 山口 宣夫, 稲福 全昌, 河原条 勝己, 渡辺 忠洋, 笠井 隆夫, 宮内 慶之輔, 野宮 文三
    1973 年 26 巻 2 号 p. 89-96
    発行日: 1973/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    患者から分離された抗生物質耐性の大腸菌, ブドウ球菌や, 多くの薬剤に抵抗性の緑膿菌は, Kanamycin Aの3'位の水酸基をATPの存在下で酵素的に燐酸エステル化し, この薬剤の抗菌活性を失わせる1)。その不活化機構にもとずいて, 梅沢らは, 3'位の水酸基を燐酸エステル化されない他の基に置換することによつて, 緑膿菌や耐性菌に有効な誘導体に変換できると考え, 梅沢純夫らと共同研究に入つた。
    これらの不活化機作の理論的追求と置換基の変換研究の中から, Kanamycin Bの3', 4'位の水酸基を水素に置換した3', 4'-Dideoxykanamycin B (以下DKBと略) が特に緑膿菌および多くの薬剤耐性菌に対して, きわめて有効なことを見出した2)。
    さらに, 本物質の開発工業化研究がおこなわれ, 純品の工業生産が可能な方式を確立し, 現在までにDKBの基礎的評価研究の結果,in vitroおよびin vivoでグラム陽性菌はもちろん, グラム陰性菌に対して有効性がきわめて高いことがみとめられ, 従来のこの領域で用いられている薬剤に比較しても, 効果, 毒性の面からみて, より有用な物質であることが明らかとなつた。今回は, 主として細菌学的な面から, 本物質について検討したので, 以下その成績を報告する。
  • 岩沢 武彦
    1973 年 26 巻 2 号 p. 97-103
    発行日: 1973/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    感染症に対する化学療法は, 常識的にまず感染病巣の膿または分泌物中から病原菌の分離同定をおこない, その分離菌が起炎菌と確認されたばあい, 諸種の抗菌性物質の薬剤感受性試験をおこなつた結果, もつとも起炎菌が感受性をもち, 副作用の少ないと考えられる有効な抗菌性物質を投与するのが化学療法の根本原則であろう。
    しかし, 病巣分離菌が, 不明または2種以上の混合感染例に対しては, とうぜん広域抗菌スペクトラムの抗菌性物質の治療効果に期待するほかなく, Tetracycline系抗生物質もそのうちにいれられよう。
    Minocycline (Minomycin) は, 1967年米国Lederle社研究陣によつて, 6-Demethylchlortetracyclineから誘導合成され, 化学名を7-Dimethylamino-6-demethyltetracyclineと称し, 新持続性Tetracycline系抗生物質としてグラム陽性球菌およびグラム陰性菌に対して殺菌的に作用する広域抗菌スペクトラムの新抗生物質として周知されている。
    著者は, すでにMinocycline内服カプセル製剤について, その試験管内抗菌力, 吸収, 排泄, 分布および臨床的検討をおこなつた成績に関して発表したが, 今回とくにLederle社で開発したMinocycline dry-syrupは1g中にMinocycline 20mg (力価) を含有する小児, 乳幼児用の投与製剤として期待され登場してきた。
    本製剤に関して, その基礎的ならびに耳鼻咽喉科領域感染症に対して臨床的検討をおこなつた結果, 良好な成績がえられたので報告する。
  • 佐藤 肇, 渡辺 修, 新納 憲司, 中沢 進, 山口 剛, 田中 英
    1973 年 26 巻 2 号 p. 104-108
    発行日: 1973/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 青柳 高明, 国元 節子, 竹内 富雄, 梅沢 浜夫
    1973 年 26 巻 2 号 p. 109-114
    発行日: 1973/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    消化性潰瘍の成因と進行には種々の因子が関与しているが, 潰瘍の発生および増大に胃液内酸性プロテアーゼが大きな役割を果していることは明らかである。胃液内酸性プロテアーゼを抑制することは, 消化性潰瘍の治療および発生機序を解明することができるとの考察のもとに, 著者らは酸性プロテアーゼ阻害物質の探索研究をおこない, 放線菌培養濾液からペプスタチンを発見した1, 2)。ペプスタチンは, ペプシン, レニンおよびカテプシンDを含む酸性プロテアーゼに対して特異的な強い阻害活性をもつが, セリン酵素, チオール酵素などの中性およびアルカリ性プロテアーゼに対しては, 阻害活性を示さない3~6)。
    ペプスタチンは, 臨床分野において, 消化性潰瘍に有効であると報告されている7~13)。本稿では, ペプスタチンの酸性プロテアーゼに対する抑制作用および臨床的に応用しうる胃液内の酸性プロテアーゼ活性の定量的測定法について報告する。
  • 理化学的ならびに生物学的性状
    大薗 卓, 矢野 邦一郎, 村上 奎介, 宮本 文雄, 村上 恭子, 森山 貴留子
    1973 年 26 巻 2 号 p. 115-121
    発行日: 1973/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Josamycin propionate (プロピオン酸ジヨサマイシン, JM-Pと略) は, 当研究所でJosamycin1~3) から合成された苦味のない誘導体で, シロップ剤などとして経口投与に適したものである。
  • 第2報生体内動態
    立花 章男, 柴田 正勝, 熊谷 芙美子, 森山 貴留子, 矢野 邦一郎, 大薗 卓
    1973 年 26 巻 2 号 p. 122-129
    発行日: 1973/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Josamycin propionate (プロピオン酸ジヨサマイシン) は, 当研究所でJosamycinから合成された苦味のない誘導体である1)。
    以下に経口投与したときの吸収, 分布, 排泄および代謝について報告する。
  • 第3報薬理学的検討
    高木 徳一
    1973 年 26 巻 2 号 p. 130-135
    発行日: 1973/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Josamycin propionateは, 無味無臭で, 水に難溶な白色の結晶または結晶性の粉末である。著者は, 2, 3の薬理学的検討をおこなつたので, その成績を報告する。
  • 毒性
    羽里 彦左衛門, 山本 正, 田所 一郎, 川村 明義, 鈴木 潔, 西岡 久寿弥, 奥木 実, 後藤 敦, 浜島 健治, 坂本 元子, 橋 ...
    1973 年 26 巻 2 号 p. 136-147
    発行日: 1973/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Josamycin propionate (プロピオン酸ジヨサマイシン) は, シロップ剤用として開発された苦味のないJosamycinの誘導体である1)。Josamycinの毒性がはなはだ低いことは, すでに報告されているが2, 3), 以下にJosamycin propionateについておこなつた急性および亜急性毒性試験の結果を報告する。
  • 第5報催奇形学的研究
    大島 稔彦, 岩垂 正矩
    1973 年 26 巻 2 号 p. 148-153
    発行日: 1973/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Josamycin propionateは, 山之内製薬株式会社中央研究所で開発されたMacrolide系の抗生物質であるJosamycinの誘導体であり, その理化学的性状および生物学的性状1), 生体内動態2), 一般薬理作用3), 毒性4)については, すでに検討されている。本報では, Josamycin propionateをマウスおよびラットに経口投与したときの胎仔毒性試験の結果を報告する。
  • 高野 平, 石川 英之, 吉岡 正和, 小黒 義五郎
    1973 年 26 巻 2 号 p. 154-156
    発行日: 1973/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    一般に, 消炎治療剤として用いられている酵素剤のうち, 蛋白分解酵素に属するものにTrypsin, Nagase, Papain などがあり, これらはいずれも抗炎または抗浮腫作用が明らかにされており, 作用機作についても多くの報告がある。さらに, これらの作用とは別に, これらの酵素と抗生物質との併用は, 内服投与抗生物質の血中濃度上昇に促進的作用があることが注目されるにいたつた。RENZINI, VARENGOら1)は, 植物性蛋白分解酵素プロムレインを用い, テトラサイクリンとの併用投与によつて, 後者の血中濃度が約2倍に増大されると報告し, 柴田, 江崎, 佐藤ら2)は, 抗生剤と消炎酵素剤との併用実験で, VaridaseおよびTrypsinによるストレプトマイシンの血中濃度の著明な上昇, ピークの早期出現がみられると報告している。われわれも, プロムレインを用い, 2, 3の抗生物質との併用による抗生物質血中濃度に対する増強効果を, ウサギの腸管投与によつて検討したので, 以下報告する。
  • 二宮 敬宇, 渡辺 邦友, 上野 一恵, 鈴木 祥一郎, 毛 泉, 坂 義人, 清水 保夫, 磯貝 和俊, 西浦 常雄
    1973 年 26 巻 2 号 p. 157-162
    発行日: 1973/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    アップジョン研究所でStreptomyces lincolnensis var. lincolnensisの培養液から発見されたLincomycin (LCM) は, 耐性ブドウ球菌をはじめ, グラム陽性菌に強い抗菌作用をもつといわれている1)。その作用機序は, 細菌の核酸合成を阻害しない条件下で, 蛋白合成を阻害するといわれている2) 。Clindamycin (CLDM) は, LCMの7位のOHをClで置換した誘導体で, 抗菌スペクトラムはLCMと同じであるが, その抗菌力はLCMの4~8倍に高められている3)。
    LCMとCLDMの好気性菌に対する抗菌作用は, すでに多くの報告があるが, 嫌気性菌については少なく4, 5, 6, 7), 本邦での希釈法による検討は小酒井ら8) の報告だけである。
    LCMとCLDMの嫌気性菌に対する抗菌作用をin vitroで検討した。
  • 1973 年 26 巻 2 号 p. 163-173
    発行日: 1973/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 1973 年 26 巻 2 号 p. 103-
    発行日: 1973年
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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