The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるClindamycin-2-palmitateの基礎的ならびに臨床的検討
西村 忠史小谷 泰浅谷 泰規
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1973 年 26 巻 4 号 p. 377-380

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抄録

1964年Upjohn研究所において, 7-Chlorolincomycin (Clindamycin)(CLDMと略) が新らしくLincomycinの誘導体としてつくられた。これは, グラム陽性菌に対してLincomycinより抗菌力はすぐれ, 吸収面でもより迅速性のあることが証明された。Clindamycinについては, 第16回日本化学療法学会総会シンポジウムで基礎的, 臨床的成績が発表され, 有効薬剤としての評価がなされた1)。著者らも, CLDMの臨床検討をおこない, 臨床効果と使用量について報告した2)。しかし, CLDMは剤形から, その使用が年長児に限られ, 幼若小児にも内服の容易な剤形が望まれていた。Clindamycin-2-palmitate・HClは, CLDMのパルミチン酸エステルで,in vitroではほとんど抗菌力を示さないが,in vivoでは加水分解をうけ, CLDMが抗菌力を示すようになる。
今回, 著者らは, 小児気道感染症に対して本剤を使用し, 多少の基礎的検討をおこなつたので, その成績について述べる。

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