The Japanese Journal of Antibiotics
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Clindamycin-2-palmitateの吸収・排泄・代謝および外科における臨床応用
石山 俊次中山 一誠岩本 英男岩井 重富鷹取 睦美川辺 隆道坂田 育弘夏野 忿秋枝 洋三
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1973 年 26 巻 4 号 p. 381-388

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抄録

Clindamycin-2-palmitate (CLDM palm.) は, 米国アップジョン中央研究所において, ClindamycinにPalmitin酸をエステル結合させ, シロップ製剤として開発したものである (Fig. 1)。CLDM-palm. 自体は, わずかに抗菌力をもつにすぎないが, 生体内に入るとNon-specific esteraseによつてエステル結合がはずれ, Clindamycinとなる。さらに, Clindamycinは生体内で代謝され, その生体内代謝物質として, 抗菌活性のある2つの物質, N-Domethyl-clindamycin (N-DCLDM) とClindamycin-sulfbxide (CLDM-Sulf.) を生じ (Fig. 2), その抗菌スペクトラムは, グラム陽性菌に対しては, CLDMとN-D-CLDMはほぼ同等の抗菌力を示し, CLDM-Sulf. との比較では, CLDMが約7~10倍抗菌力が優れている。われわれは, 臨床応用に必要な基礎的検討と臨床使用をおこなった。

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