The Japanese Journal of Antibiotics
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難治性尿路感染症に対するAmpicillinとDicloxacillin合剤の臨床効果
中内 浩二島田 馨
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1974 年 27 巻 4 号 p. 517-521

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抄録

Ampicillin (AB-PC) とDicloxacillin sodium (MDI-PC) の合剤であるHI-56 (東洋醸造) は, AB-PC耐性のブドウ球菌にも有効であるばかりでなく, 特にMDI-PCのPenicillinase阻害作用によつて, また, 菌株によつては両剤の相乗作用によつて, AB-PC耐性Gram陰性桿菌にも効果が期待されるという1). また, 経口投与後の尿のクロマトグラフィー一によつて, AB-PCとMDI-PCが高濃度に検出確認されたことから, とくに尿路感染症に対して高い有効性が期待されるともいう2). このたび, HI-56を使用し得る機会を得たので, 難治性と考えられる老人の複雑性慢性尿路感染症に対して, その菌株, 感受性に関係なしに投与してみたので, その成績を報告する.

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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