The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるAmpicillin類似新抗生物質Amoxycillin (BRL 2333) 細粒に関する基礎的, 臨床的研究
小林 裕赤石 強司小林 陽之助西尾 利一寺村 文男望月 康弘森本 健一福田 文男
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1974 年 27 巻 5 号 p. 601-619

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抄録

Amoxycillin (以下AMPC) は, Ampicillin (ABPC) と類似の構造をもつ新誘導体で, その抗菌域および抗菌力などでは, ABPCと差がないが, 経口投与時の吸収がすぐれているのが特徴である1-8). AMPCカプセルの小児細菌感染症への応用成績については, すでに報告し, 有望な広域ペニシリンであることを述べた9)が, カプセルという剤形では, 小児への投与はきわめて制限されるので, 小児に受入れられやすい剤形のものが必要である.
AMPC細粒は, AMPCそれ自体に, 賦形剤その他で適当に味と匂いをつけたもので, 顆粒状になつており, そのままでも, 水で溶解して液状にしてでも, どちらでも内服できる. 著者らの感覚では, 味の良いこと, 嫌な匂いの少ないことにおいて, 内服用ペニシリン剤中, 筆頭に位するように思われる.
したがつて, この細粒の吸収がカプセルに劣らず, また同等の臨床効果が得られるならば, 小児細菌感染症の治療において, きわめて有力な武器となりうるであろう. 著者らがカプセルよりも細粒の検討に力を注ぎ, その成績をカプセルとは別に報告する所以である.

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