The Japanese Journal of Antibiotics
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外科領域におけるAmikacin(BB-K8)の基礎的ならびに臨床的検討
柴田 清人藤井 修照品川 長夫鈴木 芳太郎村松 泰高岡 哲郎内田 吉則
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1974 年 27 巻 5 号 p. 625-632

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抄録

Amikacin (以下BB-K8) は, 梅沢らのアミノ配糖体抗生物質の耐性機転の理論に基づいて, ブリストル万有研究所で開発された耐性菌にも有効な抗生物質で, Kanamycin (以下KM) の1-NHを4-アミノ-2-ヒドロキシ酪酸で修飾したものを合成し, このものがKM耐性菌および緑膿菌などに抗菌力を示すことが確認された. しかも本剤は, アミノ配糖体特有の副作用としての聴器毒性, 腎毒性をもつが, 動物実験においてKMと比較しその毒性は軽度であり, 薬理学的性状もKMとほぼ同様の新しいKM誘導体である.
われわれは, 本剤の提供を万有製薬 (株) から受け, 抗菌力, 吸収排泄などの基礎的検討を加えるとともに, 外科的感染症に使用したので, その成績についてもあわせ報告する.

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