The Japanese Journal of Antibiotics
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Fusaric Acid およびCa塩に関する基礎的研究
急性毒性および降圧作用
松崎 明紀中村 浩一阿久津 貞夫小野寺 邦介関野 実吉田 昭雄
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1976 年 29 巻 5 号 p. 439-455

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抄録

Fusaric acid (5-Butyl picolinic acid) は, 1934年に藪田貞治郎等1) によつて弱い抗菌活性をもった抗生物質として最初に報告されている。1960年には, BOSSI2) によつてPolyphenol oxidaseの阻害作用が見出され, その後UMEZAWA等によつてDopamine β-hydroxylase (DBH) の阻害作用, そして降圧作用が見出された3, 4, 5)。
今回著者等は, Fusaric acidおよびそのCa塩Calcium fusarate (以下FAおよびFA-Caと略す) について急性毒性および降圧効果を各種動物で検討し, 著明な降圧作用がみとめられた。また, Fusaric acidよりもCa塩のほうが胃腸障害ははるかに少いことがみとめられた。なお, 本実験は, 1968年9月から12月にかけておこなわれたが, その後さらに補足をおこなったので, その結果をまとめて報告する。

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