The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるCefatrizineの臨床的検討
紺野 昌俊南部 春生泉 幸雄磯野 雄也中沢 進佐藤 肇近岡 秀次郎堀 誠森 正樹西村 忠史小林 裕福井 昭臼井 朋包小林 陽之助山下 文雄本広 孝大谷 元彦藤井 良知
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1977 年 30 巻 10 号 p. 770-785

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抄録
Cefhtrizineは, 米国ブリストル社で闘発された経口Cephalo6porin剤で, 抗菌スペクトラムは従来のCephalosporin系薬剤と同様に広い1)。抗菌作用はCephalexinと比較するとき, グラム陽性菌で2~4倍, グラム陰性菌で4~8倍すぐれ, 特にStreptococcus pneumoniaeProteus mirabilisに対する抗菌力がよいといわれている2)。また, 本剤は, 経口投与によつて消化管から比較的よく吸収され3), 体内でほとんど代謝されることなく4), 主として尿中に排泄され3), 毒性も低く5, 6, 7), 催奇形性もみとめられていない8, 9, 10)。
以上のことから, 我々はCefatrizineが上気道感染症に対して, 充分に臨床効果が期待できると考え, Cephalexinを対照薬として多施設二重盲検法によつて臨床効果とその副作用を比較検討した。なお, 対照薬剤としてCephalexinを選択した理由は, Cephalexinが同租同効薬剤として現在広く使用され, その臨床効果に対する評価が定まつていると考えたためである。
本試験は, 共通の試験方法およびFig.1に示すCase recordを用い, 以下の要領で実施された。
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