The Japanese Journal of Antibiotics
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Cephalexin持続性製剤 (S-6436, S-6437) の皮膚科領域における使用経験
沖田 和男佐藤 みち子早川 久仁子木村 和郎
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1977 年 30 巻 11 号 p. 911-915

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抄録
皮膚科において多くみられる細菌感染症は, 節, 癰, 毛嚢炎などであり, 起炎菌はほとんどがStaphlococcus aureusである。
Cephaloxinは, このStaphlococcus aureusに対して, その細胞壁生合成を阻害することによつて殺菌的に働き, かつ経口投与でよく吸収され, 皮膚にもよく移行するので, すぐれた抗生物質である1, 2)。しかし, Cephalexinは, よく吸収される反面, 排泄も速やかであり, 通常1日4回6時間毎の投与が必要とされている。しかし, 6時間毎の投与は, 実際上無理であり, 当皮膚科においでも1日4カプセル(1,000mg)を処方して, その服用は朝1, 昼1, 夕2カプセルと指示するのが普通である。
このCephalexinを製剤的に改良して, 朝・夕食後の1日2回内服で有効血中濃度が得られる3, 4) というCephalexin持続性製剤, S-6436カプセル, 小児用のS-6437顆粒をシオノギ製薬から提供をうけた。
1日2回内服で十分な製剤であれば, 上記のように服用上の問題もなく, かつ服み忘れも少ない便利な製剤と考えられたため, 各種の皮膚細菌感染症に対する臨床的効果を検討したので, その成績について報告する。
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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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