The Japanese Journal of Antibiotics
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皮膚感染症におけるClindamycin-2-phosphateの使用経験
大滝 倫子香川 三郎
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1977 年 30 巻 2 号 p. 169-173

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抄録

Clindamycin-2-phosphate (7 (S)-chloro-7-deoxylincomycin-2-phosphate) は, 下記の構造式で示される薬剤である。
本剤は, Lincomycin (LCM) の誘導体Clindamycinを燐酸化し, 注射用抗生物質として開発されたものである。これ自体に抗菌作用はないが, 血中で加水分解されて, Clindamycinとなり抗菌作用を示す1) 。
Clindamycinは, 他剤とくらべ, 比較的広い抗菌スペクトルと強い, 抗菌作用をもつとされている。LCMと比較すると, その抗菌スペクトルは同じであるが, グラム陽性菌や耐性ブドウ球菌に対する抗菌価は4~8倍2) と高い値を示しており, また嫌気性菌にもLCMの2~4倍の強い抗菌価を持つとする報告もある3, 4) 。
今回, 我々は, 皮膚感染症にClindamycin-2-phosphateを用い, その臨床効果を検討したので報告する

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