The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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Flavobacterium meningosepticumの臨床細菌学的検討
猪狩 淳小酒井 望小栗 豊子
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1977 年 30 巻 3 号 p. 242-249

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抄録
ブドウ糖非醸酵性グラム陰性桿菌の1つであるFlavobacterium meningosepticumは, 1959年KINGによつて最初に分離され, 報告された1) 。本菌は, 汚物や水から証明され7), また健康な新生児の鼻腔や咽頭2~4), 病院内3, 5), 医療器具6) からも検出される。
本菌による感染症は多いものではないが, これまでに新生児, 未熟児の髄膜炎例1~3, 6, 8~11, 21, 22) た, まは成人でも手術後の菌血症例12~14) が報告されている。これら報告例の多くは, 院内感染の性格が強く, いわゆるOpportunistic infectionと考えられた。また, 多くの化学療法剤に対して耐性を示し, 感性を示す薬剤が限られていることも注目されている15) 。それで私共は, 1974年8月から2年間に順天堂大学病院中央臨床検査室で, 各種臨床材料から分離されたF.meningosepticumについて, その検出例の臨床的背景および各種化学療法剤に対する感受性分布を検討したので報告する。
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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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