The Japanese Journal of Antibiotics
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30 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 小林 芳夫, 富岡 一, 長谷川 弥人
    1977 年 30 巻 3 号 p. 209-214
    発行日: 1977/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    グラム陰性桿菌 (GNR) 感染症の増加が指摘されているなかで, 難治性のPseudomonas aeruginosa感染症には, とりわけ多くの識者から深い関心がよせられてきた。そして最近ではGentamicin (GM), Tobramycin (TOB) などのP.aeruginosaに抗菌力のあるAminoglycoside系抗生剤, または抗P.aeruginosa性の広域性Penicillin系であるCarbenicillin (CBPC), Sulbenicillin (SBPC) といつた抗生剤の登場によつて, 従来は全く治療が期待できなかつたP.aeruginosa敗血症においてさえ, 十分な治療成果がえられるまでになった。しかし, われわれの経験によれば, P.aeruginosa敗血症において, これらの抗生剤の単独投与には多くの期待をよせることはできなかつた1) 。GMの1日160mg投与中にも, P.aeruginosa敗血症の発症が, 重症血液疾患を基礎疾患にもつ症例群で数例経験されている。このような抗生剤での治療成果は, すでに報告2) してきたように, 全例がGMまたはTOBと, CBPCまたはSBPCとの併用療法のばあいだけにかぎられていた。
    今回は, このような臨床成績を臨床薬理学的に解析する目的から, CBPCを軸にAminoglycoside系抗生剤との併用効果をin vitroで検討し, ここにその根拠の一端を求めようとした。
  • 三田 俊彦, 真弓 研介, 片岡 頌雄, 石神 襄次
    1977 年 30 巻 3 号 p. 215-222
    発行日: 1977/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 奥村 秀雄, 渡辺 良, 琴浦 良彦, 中根 康雄, 丹菊 臣生
    1977 年 30 巻 3 号 p. 223-227
    発行日: 1977/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Studies were performed in 8 patients with osteoatticular infections to examine the concentrations of sulbenicillin in the venous blood and exudate following administration and the concentrations of the antibiotic in the exudate when serratiopeptidase was orally administered concomitantly with the antibiotic. The results of the examination indieated that the transfer of sulbenicillin into the exudate tended to increase when 30mg/day of serratiopeptidase was concomitantly given for 6 days, though further examination was thought necessary by increasing number of subjects and elaborating on the methodology.
  • 斎藤 玲, 加藤 康道, 石川 清文, 富沢 磨須美, 中山 一朗, 矢嶋 載, 桜庭 喬匠, 松井 克彦
    1977 年 30 巻 3 号 p. 228-233
    発行日: 1977/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Clindamycin-2-phosphate [7 (S)-Chloro-7-deoxylincomycin-2-phosphate] は, Clindamycinの筋注および静注用の製剤である。本剤は, 白色結晶性の塊状をなし, 150mg/mlの溶液でpH5.5~7.0と, やや酸性となる性質をもつ。本剤は, 体内に入つてPhosphateがはずれ, Clindamycinとなり, その効力を発揮する。経口用のClindamycinは, すでに広く用いられており, その有効性は実証されているが, 注射剤について, その特性の検討をおこなつた。
  • 武田 元, 庭山 昌俊, 川島 士郎, 岩永 守登, 蒲沢 知子, 木下 康民, 山作 房之輔, 鈴木 康稔
    1977 年 30 巻 3 号 p. 234-236
    発行日: 1977/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Clindamycinは, グラム陽性球菌と嫌気性菌に秀れた抗菌力をもつ抗生物質である1) 。われわれは, 注射用のCIindamycin-2-phosphate (CLDM) を臨床的に使用する機会を得たので, その成績を報告する。
  • 柴田 清人, 由良 二郎, 品川 長夫, 鈴木 一也, 鈴木 芳太郎, 恵美奈 実, 土井 孝司
    1977 年 30 巻 3 号 p. 237-241
    発行日: 1977/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Clindamycin-2-phosphateは, Macrolide系類似抗生物質であるClindamycinの新らしい誘導体の1つで, 筋注投与または静脈内投与が可能な抗生物質である。本剤自体はほとんど抗菌作用を示さないが, 生体内では加水分解をうけてClindamycinとなり, 抗菌作用を呈し, 特にStaphylococcusをはじめとするグラム陽性菌や, Bacteroidesをはじめとする嫌気性菌に対してLincomycinと同様に広い抗菌スペクトルをもつとされている1) 。しかもClindamycinの抗菌力は, Lincomycinと比較すると, 約4~8倍強力であるとされている2~5) 。
    最近, 外科領域における嫌気性菌感染症についての報告も多くみられているが, 一般臨床においては嫌気性菌の抗生剤に対する感受性のパターンが, 好気性菌のそれと相異するところが最も問題となつている。
    外科領域における嫌気性菌感染症は, 下部腸管手術後の感染としてみられるばあいが最も多く, 特に直腸切断術後における会陰部創感染としてみられるばあいが多い傾向にある。
    今回, 日本アップジョン株式会社から提供をうけたClindamycin-2-phosphate (以下Clindamycinと略す。) を治療を目的としたばあいと, 術後感染予防を目的としたばあいに分けて使用する機会をえたので, その結果について報告する。
  • 猪狩 淳, 小酒井 望, 小栗 豊子
    1977 年 30 巻 3 号 p. 242-249
    発行日: 1977/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ブドウ糖非醸酵性グラム陰性桿菌の1つであるFlavobacterium meningosepticumは, 1959年KINGによつて最初に分離され, 報告された1) 。本菌は, 汚物や水から証明され7), また健康な新生児の鼻腔や咽頭2~4), 病院内3, 5), 医療器具6) からも検出される。
    本菌による感染症は多いものではないが, これまでに新生児, 未熟児の髄膜炎例1~3, 6, 8~11, 21, 22) た, まは成人でも手術後の菌血症例12~14) が報告されている。これら報告例の多くは, 院内感染の性格が強く, いわゆるOpportunistic infectionと考えられた。また, 多くの化学療法剤に対して耐性を示し, 感性を示す薬剤が限られていることも注目されている15) 。それで私共は, 1974年8月から2年間に順天堂大学病院中央臨床検査室で, 各種臨床材料から分離されたF.meningosepticumについて, その検出例の臨床的背景および各種化学療法剤に対する感受性分布を検討したので報告する。
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