The Japanese Journal of Antibiotics
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口腔領域感染症におけるCefapirinの臨床的評価
中山 栄雄岩淵 武介
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1979 年 32 巻 3 号 p. 352-358

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抄録

Cephalosporin系抗生物質の作用機序は, 細菌の細胞壁の合成阻害であつて, Eactericidal effectとして働き, いわゆる選択毒性も強い。一方, 蛋白代謝障害を示すBacteriostaticの抗生物質とは具なった面の副作用があるので, この種の薬剤の使用にさいしては, とくに配慮が必要である。1970年, Eristol Laboratories (U. S. A.) で開発されたSodium cefapirin (以下CEPRと略す) は, グラム陽性, 陰性の細菌に広い抗菌範囲を示し1), 選択毒性もあるので, 臨床効果が期待される抗生物質である。副作用については, 同系の抗生剤共通の腎機能障害などは少ないといわれている2)。
このたび, 東北労災病院歯科口腔外科の入院患者にCEPRを使用し, 臨床効果および各種臨床検査の結果から, 副作用について検討したので, 報告する。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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