The Japanese Journal of Antibiotics
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Dibekacin点滴静注後の血中濃度測定成績
金沢 裕
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1979 年 32 巻 5 号 p. 624-626

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抄録

最近のグラム陰性桿菌感染症の増加につれ, これら細菌に対して強い抗菌力を示すことの多いアミノグルコシッド系薬剤は, その使用適用が漸次拡大しっつあると考えられる。
アミノグルコシッド系薬剤は, 一般に筋肉内投与によつて使用されているが, 他の抗生剤においても問題になつているように, 筋肉注射の局所的副作用発現のおそれ, さらに, 一部のペニシリンなどに指摘されたような薬剤による感作の可能性の高いことなどから, 静注法の検討が強く望まれた。
また, 肺化膿症など病巣に有効薬剤が移行するには, ある程度の高い有効血中濃度を一定時間持続することが有用であると推定される。最近, 広く用いられているペニシリン剤, セファロスポリン剤も, 中等度以上の感染症には, 筋注にかわつて静脈内投与が主流となりつつある。
したがつて, アミノグルコシッド系薬剤についての静注法を活用するために, 今回はその代表的薬剤の1っであるDibekacinをとりあげ, 本剤の主要適用の1っと考えられる呼吸器感染症患者について点滴静注後の血中濃度の推移を検討した。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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