The Japanese Journal of Antibiotics
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実験的肺炎ラットにおけ多抗生物質の体内動態に関する研究第1報
iclacillinとSerratiopeptidase併用のばあい
荒谷 春恵建石 英樹祢宜田 純子
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1979 年 32 巻 8 号 p. 806-811

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抄録

実験的感染症における化学療法剤の影響については, すでに多くの報告があり, そのさいの化学療法剤とくに抗生物質の体内動態について, 森川ら1)は家兎のブドウ球菌性髄膜炎でのCephalosporinやAmlpoglycosidesについて, 柴田ら2)はモルモット背部膿瘍膿汁内へのPenicillin Gについて, また, 石原ら3)は家兎実験的胸膜炎, 実験的肺炎におけるSulbenicillinの病巣への移行, 著者のうち荒谷ら4)はブドウ球菌感染マウスでのJosamycinの体内動懇を報告している。
ところで, 実験的肺炎動物について, 西ら5), 松本ら6)および副島7)によって, 主として, Klebsiella pneumo-niaeをマウスに噴霧吸入させる術式を用い, 肺内生菌数, 病変および死亡率なを指標として, 抗生物質のinvivoにおける効果を述べている。
私どもはこの術式にならい, Klebsiella pnuemoniae NK31について, ラットを用い, 抗生物質の体内動態を検討することとした。 なお, ラットを供試動物として選んだ理由の1っには, 尿中排泄も併せ検討したいこと, および, 併用薬物のSerratipeptidase顆粒の投与にあだつて, マウスでは困難であつたことなどである。
著者のうち, 荒谷8, 9)は, TetracyclineおよびSulbenicillinとSerratiopeptidaseとの併用を, 肺炎ラットで, また, ブドウ球菌感染マウスでのJosamycinとBromelainとの併用について報告4)した。
抗生物質としてCiclacillinを選び, Serratiopeptidaseとの併用時の体内動態を検討し, 以下に述べる結果を得た。

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