The Japanese Journal of Antibiotics
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新生児期感染症に対するCefmetazoleの意義
小林 裕春田 恒和森川 嘉郎黒木 茂一大倉 完悦藤原 徹
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1980 年 33 巻 11 号 p. 1237-1246

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抄録
新生児期感染症において, B群溶連菌が最近著明に増加してはいるが, グラム陰性桿菌, とくにEscheria coliは依然有力な起炎菌であり, さらにPenicillin耐性ブドウ球菌も問題で, しかも経過が速やかで, 起炎菌とその感受性を決定してから抗生剤を選択する暇のないことが多いから, 第1次選択剤は上記の諸菌種をできるだけ広く制圧できることが望ましい。
従来, 新生児期の第1次選択剤としてAmpicillinとGentamicinの併用が推奨されてきたが, ブドウ球菌はもちろん, E coliにもAmpicillin耐性株が著明に増加している1)。Ampicillinのこの欠点は, 一般にはGen。tamicimによつてかなり補えるが, 新生児期敗血症は髄膜炎合併率が高く, しかも特有の症状が乏しい2) から第1次選択剤は髄膜炎にも有効なことが要求される。しかし, Gentamicinの髄液中移行は不十分で, 髄膜炎における全身投与の役割は制限されているから, Ampicillinに代りうる新抗生剤の検討が急務である。
Cefmctazole (CMZ) は, β-Lactamaseに安定で, Ampicillin耐性且coliにも優秀な抗菌力があり, 小児細菌感染症に有用と考えられた3)。さらに, 黄色ブドウ球菌性髄膜炎家兎において, 髄液中濃度半減期 (T1/2) は, 短かつたが, 曲線下面積髄液血清比百分率は平均約10%で, 大量頻回投与をおこなえば, 髄膜炎にも有効と考えられ, 2例のE.coli髄膜炎でそれを立証できた4, 5)。
したがって, 本剤は新生児期における有用性を検討するに価すると考えられ, 周産期研究会が組織された。以下報告する成績は, その一環としておこなわれたものである。
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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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