1980 年 33 巻 4 号 p. 522-525
前立腺肥大症に対する外科的療法として我々は昭和52年7月から恥骨後式前立腺摘除術を施行し, かつ術後の経尿道的カテーテルの留置期間を1~2日間と短縮ナる方法をとり, それ以前おこなつていた恥骨上式前立腺摘除術よりも術後の尿路感染の発生率の低下をみてきた1)。今回, ヒの恥骨後式前立腺摘除術を施行し, 術後SBPCを投与した症例と, 他の抗生剤を投与した症例とを対比し, 術後尿路感染の状況について検討した。さらに, SBPCの前立腺組織内への移行についても, 前立腺の被膜および腺腫とに分けて検討を加えたので報告する。