1981 年 34 巻 1 号 p. 1-6
最近, セファロスポリン剤の開発が盛んで, 特にβ-Lactamaseに抵抗性を示す半合成剤が次々と出現しつつある。これは, 副作用の少ない点からも, 自然のすう勢であろう。
Cefoperazone (CPZ) は, Fig.1の構造式をもち, グラム陽性菌はもちろん, グラム陰性菌のPseudomonas, Indole陽性のProteus, SerratiaおよびBacteroidesにまで抗菌スペクトルが拡大され, EscherichiaやKlebsiellaに対しても, 従来のセファロスポリン剤よりも強い抗菌力をもつとされており1), 第3世代のセファロスポリンとも, 第5群のセファロスポリンともいわれるものである。われわれは, 本剤を産婦人科領域の感染症に対して使用する経験を得たので, その成績を報告する。