The Japanese Journal of Antibiotics
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Cephalothinの抗菌力にかんする基礎的研究
増田 剛太矢島 太郎中村 毅志夫清水 長生玉川 重徳
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1981 年 34 巻 2 号 p. 194-199

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抄録

感染症は, 時代とともに変貌する。昨今の臨床医学では, とくに, 日和見感染が広く注目を浴びており, 原因微生物としては, グラム陰性菌の分離頻度が高い。その制禦には, 抗菌製剤が有力な武器となるが, とくにPenicillin, Cephalosporin系, Aminoglycoside系製剤などの, いわゆる殺菌性と称する一群の抗生剤が広く大量に用いられており, これらが入院患者群でみられるような, 重症難治性感染症の治療に果たす役割は大きい。その試験管内抗菌力は, 一般に, 被検菌を各種の抗生剤に1夜接触させたのちの菌数の変化により測定される1)。しかし, これらの方法で得られた抗菌数値の生体内における持続時間は, 一般に短い。すなわち, 抗菌製剤を経口, 筋注, 静注投与したばあいの血中または病巣内における有効抗菌濃度は, 一般に, 長くとも数時間程度持続するに過ぎない。
本論文では, 抗菌製剤としてCephalothinを用い, とくに被検菌との接触時間の概念をも含めた実験系を開発し, その作用様式について得た多少の知見を報告する。

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