1981 年 34 巻 2 号 p. 205-210
Cefbxitin (以下CFX) は, 化学構造上Cephem環7α 位にMethoxy基をもつことから, 強いβ-Lactamase抵抗性をもち, このため従来のCephalothin (CET), Cafazolin (CEZ) に低感受性または耐性のEscherichia coli, KlebsiellaまたIndole (+) のProteus, Serratiaにもすぐれた抗菌力を示すことが知られている1~3)。
著者らは, 呼吸器感染症の中でも, 治療の困難な慢性呼吸器感染症におけるCFXの有用性を検討するために, 血清中濃度と喀痰中への移行を測定するとともに, 臨床応用として慢性呼吸器感染症の患者で, 特に従来の抗生物質で効果のみられなかつた症例に対して, CFXを投与し, 多少の知見を得たのでここに報告する。